「2位じゃダメなんですか」スパコンの後継「富岳」で作ったAIが公開中:ChatGPTと比べてみた
スパコン「富岳」で作られたAI(大規模言語モデル)が一般公開中
そんな「富岳」を用いて開発された大規模言語モデル(LLM)が、2024年5月に一般公開され、誰でも利用可能になりました。 もちろん富岳の成果は多数ありますが、その中でも誰しもがオープンに触れるアウトプットがウェブ上に存在しているのは貴重です。加えてそもそも国産の大規模言語モデル自体が極めて貴重です。ちなみにこの大規模言語モデルにはサイバーエージェント社が収集した独自の日本語学習データなどが使われています。 とにもかくにも国産のデータを学習した国産のAIが、国産のスパコンで開発され、なおかつオープンに無料公開されていること自体がとてつもない成果です。ぜひ一度触ってみることをおすすめします。 そんなFugaku-LLM(富岳 LLM)を利用するには、「Fujitsu Research Portal」にアクセスしてアカウントを作成する必要があります。登録完了後、対話型生成AIページから利用することが可能です。 まずはFujitsu Research Portalにアクセスし、アカウント登録を完了させましょう。アカウント登録が完了したら、対話型生成AIページにアクセスできます。なお入力欄に書く質問やプロンプトは、ChatGPTやPerplexity、Copilotなどに与えるようなものと同様で構いません。気軽にいろいろ投げかけてみると良いでしょう。
全く同じ指示を「富岳」と「ChatGPT」にするとアウトプットはどう違う?
「富岳」で開発された国産AIが一般公開されていること自体がものすごい成果ですが、一方で「で、性能はどうなの?」というのも気になる点ですよね。そこで今回、Fugaku-LLM(富岳 LLM)とChatGPTに全く同じタスクを与え、アウトプットを比較してみました。 今回試したのは、関西弁で書かれた小説『細雪』の冒頭部分を「標準語に直してほしい」という指示です。小説『細雪』は谷崎潤一郎の作品で、冒頭の文はこんな感じです。 「こいさん、頼むわ。―――」 鏡の中で、廊下からうしろへ這入はいって来た妙子を見ると、自分で襟を塗りかけていた刷毛を渡して(以下略) 青空文庫に全文が公開されているため、興味がある方はぜひ読んでみてください。 まずは富岳で、関西弁で書かれた『細雪』の冒頭部を標準語に直してもらいました。