第三者委の報告書受けJR九州・高速船が会見「真摯に受けとめ再発防止策を決議」
九州朝日放送
JR九州の子会社、JR九州高速船が博多と釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を3カ月以上隠して運航を続けた問題で、外部の識者らによる第三者委員会が今月21日、調査報告書をJR九州に提出しました。これを受けJR九州とJR九州高速船が26日会見を開きました。 JR九州・古宮社長「調査報告書で指摘を受けた事項を真摯に受けとめ、本日開催の取締役会において、今後の再発防止策等を決議しました」 第三者委員委員会が提出した報告書では、JR九州高速船の当時の社長や運航管理者など4人の幹部が「営業上の事情や社内事情を優先」し、運航停止を避けるため浸水を隠して3カ月以上運航を続けたと認定しました。 そのうえで、警報装置を上方に移動し検査を受けずに運航を継続したのは、船舶安全法に抵触し、刑事罰の対象となる可能性が高いなどと指摘しています。 また、当時の社長について、親会社のJR九州からの出向で「海運事業の経験がなかった」ため、「十分にリーダーシップを発揮できない状況にあった」としました。 加えて、親会社のJR九州について「再発防止を念頭に置いた積極的な関与は見当たらなかった」と対応を問題視し、改善措置の進捗状況を丁寧にモニタリングすることを求めています。 26日の会見でJR九州の古宮社長は、JR九州高速船を担当する部署を、JR九州の経営企画部から鉄道の運行を担当する運輸部に変更して、安全管理体制を強化するとしました。 また当時の社長ら3人を懲戒解雇し、今回の件にかかわったJR九州と高速船の従業員全員を、社内規定に基づいて処分。古宮社長ら親会社2人の役員報酬を減額するとしました。 クイーンビートルの運航再開の時期については「具体的にはない」とし、第三者委員会からの提言をかみしめていくことが、次のステップにつながると答えるに留めました。 JR九州高速船・大羽社長「一つの生まれ変わるチャンスとも捉えて、しっかりこの後も事業の運営をやっていきたい」
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