ウィニングパット&ショットで振り返る 松山英樹のPGAツアー10勝
2017年 WGC ブリヂストン招待(5勝目)
世界選手権シリーズ(WGC)での2勝目は驚異的な勝利。2打差の4位から出た最終日に1イーグル、7バーディ、2013年大会で一緒にプレーした際のタイガー・ウッズと同じ「61」をマークした。16番(パー5)で「最後に3つバーディを獲れば並ぶ」と思い描いたスコアを現実にして、通算16アンダー。2位に5打差をつけた。スタート前から調子が悪く、インタビューには「完ぺきは18番のティショットだけ」と答えた。
2021年 マスターズ(6勝目)
スランプを乗り越え、メジャー初優勝を憧れのオーガスタナショナルGCで飾った。ローアマチュアを獲得した2011年からちょうど10年、10回目の出場。2位に4打差をつけて迎えた最終日は4バーディ、5ボギーの「73」と苦しみながら逃げ切った。最終ホールはバンカーからの3打目をグリーンに乗せ、パーパットを外してからタップイン。喜びの涙を懸命にこらえながらスコア提出所に向かった。
2021年 ZOZOチャンピオンシップ(7勝目)
日本で唯一のPGAツアーでは初開催の2019年にタイガー・ウッズに次ぐ2位。マスターズチャンピオンとして臨んだ第3回大会で優勝した。大きな拍手を背にスコアを伸ばし、最終18番は残り244ydから5Wでのカットボールでピン奥へ2オン。4mのパットを沈めてイーグルを奪い、母国のファンの前で両手を高く突き上げた。コロナ禍での開催に感謝し「日本人の僕が勝つことはすごく意味があることだと思う」と胸を張った。
2022年 ソニーオープンinハワイ(8勝目)
最終日最終組に入ったラッセル・ヘンリーとのマッチレース。ハーフターン時につけられた5打差をバックナインで縮め、最終18番のバーディで「63」として追いついた。プレーオフで見せた3Wでの2打目が圧巻。夕日に向かって放ったフェードボールは手前に2オン、ピンそば1mまで転がりイーグルで決着した。1983年に青木功が日本人として初優勝を飾った場所で、アジア出身選手として最多の通算8勝に並んだ。
2024年 ジェネシス招待(9勝目)
度重なる故障を経て約2年ぶりにツアー優勝を飾った。タイガー・ウッズのホスト大会の会場は2028年の「ロサンゼルス五輪」の開催コースにも決まっているリビエラCC。首位に6打差の7位から3連続バーディを3回決めて「62」をマークした。最終18番、1mのパーパットも鋭いフックラインを打ち抜いて腰の高さでガッツポーズ。チェ・キョンジュ(韓国)を勝ち越し、アジア人最多の9勝目をマークした。
2024年 フェデックスセントジュード選手権(10勝目)
「パリ五輪」で銅メダルを獲得した2週後、主戦場でツアーでの戦いを再開。プレーオフシリーズの初戦で、初日からバーティチャンスを生かし続け3日目を終えて後続に5打差をつけた。最終日は後半12番からの4ホールで4ストローク落とす急変により追う立場に変わったが、終盤の難所・17番で決めた起死回生のバーディが重い雰囲気を吹き飛ばす。ピン左手前8mのパットを流し込んで再逆転し、力強いガッツポーズ。最終18番もバーディで締めくくり、後続を2打差で振り切った。