要請受けヒグマ駆除し猟銃所持許可の取り消し判決、猟友会「やっていられない」…道知事ら捕獲体制強化を要望
市街地に出没するクマ対策として、国が市街地での猟銃使用を認める鳥獣保護法改正の準備を進めていることを受け、北海道の鈴木直道知事と北海道猟友会の堀江篤会長が18日、環境省を訪れ、小林史明環境副大臣に、ハンターらが安心して従事できるよう捕獲体制の強化を要望した。
北海道砂川市では、2018年に市の要請でヒグマを駆除した猟友会の男性が、危険な発砲だとして道公安委員会に猟銃所持許可を取り消された。男性が処分撤回を求めた訴訟で、札幌地裁は訴えを認めたが、札幌高裁は先月、1審判決を取り消し、請求を棄却した。
要望書では、道内でヒグマが32年間で2倍以上に増え、推定1万頭を超えていると指摘。市町村や関係団体が着実に新たな法規定を運用できるよう支援を求めた。
堀江会長は、高裁判決に猟友会員から「やっていられない」といった声が上がっていると主張。鈴木知事は報道陣の取材に「捕獲従事者に不安が広がっている。法改正では、ハンターの思いを受けて、警察などと連動して対応することが必要だ」と語った。