足を引っ張り合う笑いは「マジもったいねえ」ーー“チャラ男“EXITのチャラくない主張
2年前、『ゴッドタン』(テレビ東京)に出演した彼らは「チャラ男なのに実は真面目」ということを先輩芸人にいち早く見抜かれ、そのことでさんざんイジり倒された。チャラ男キャラを武器にしようと思っていた2人には予想外の展開だったが、先輩の引いたレールに全力で乗っかるしかなかった。 「あのイジりをされるのがちょっと早くないか、と言われたりもしたんですけど、俺らぐらいで早いとかそのスタイルはできませんとか言ってられないと思うんですよ。求められたものに柔軟に対応していくしかないですよね」(りんたろー。) 「俺たちは『国民のマリオネット』ですから。みんなが好きなように操ってくれればいいんです」(兼近)
報道番組に出演するチャラ男たち
この4月からは報道バラエティ番組『ABEMA Prime』(AbemaTV)にも出演する。ニュースや社会問題を扱う番組にチャラ男が出るのは場違いな気もするが、これが意外にしっくりきている。りんたろー。がその日のテーマについて入念な下調べをする一方、兼近大樹はほぼ準備ゼロで本番を迎える。見た目は似たようなチャラ男でも、番組に臨む姿勢は対照的だ。 「そこはもともとの性格ですよね。僕は東大生のLINEグループに入れてもらっているので、そこで事前にニュースの内容をどう思っているかを聞いて、それを参考にして本番で質問をしたりしています」(りんたろー。) りんたろー。はコロナ禍による自粛を訴えるために「コロナ漫才」を作り、YouTube上で公開した。また、自粛の必要性を若者に訴えるために、長文をnoteに投稿し多くの反響を呼んだ。 今どきの若手芸人の大半は、テレビで活躍することを目標にしている。だが、EXITの2人はテレビに出まくるかたわらで、YouTubeチャンネルを1年ほど前から開始し、最近ではアパレルブランドを立ち上げるなど、活躍の幅を広げている。特に兼近はテレビに対して「呼ばれなくなったらそれはそれでいい」と割り切っている。 「テレビのスタッフさんから『今度あなたたちの番組が始まるからがんばってください』って言われると、いやいや、俺らだけじゃなくて一緒にがんばるんでしょ、って思うんですよ。僕はそういうスタンスだから全くプレッシャーがないんですよね。自分がテレビをやっているというより、テレビに呼ばれて、やらせてもらっているという感覚です」(兼近) 「あと、僕らはずっとネタをやってきているので、最悪テレビに出られなくなっても劇場があるじゃん、って思えるんですよね」(りんたろー。) 昨今のお笑い界では「お笑い第七世代」と呼ばれる平成生まれを中心にした若い芸人たちの活躍が目立っていた。EXITもその中の1組として扱われていたのだが、そのことを本人たちはどう思っていたのか。 「マジありがたいっすね。そこに入れて良かったです」(りんたろー。) 「霜降り明星とか四千頭身とかゆりやん(レトリィバァ)さんとかに比べると、俺らはテレビに出始めたのが遅かったんですよ。だから滑り込みでそこに入れたのはラッキーでしたね。まあ、(昭和生まれの)りんたろー。さんは第七世代じゃないんですけど(笑)」(兼近) 「いや、第七世代だから! 一番後ろからみんなのこぼれ球を拾っていこうと思ってます」(りんたろー。)