【ウォーキングは短時間の方が効果的だった!】短い時間にわけて歩くことがよりカロリーを燃焼する理由を英研究から解説
研究者や医師たちは長年、日中を活動的に過ごすことの重要性を強調してきた。実際にこれまでの研究の結果、長時間にわたって座り続けていることは、心疾患や2型糖尿病など、健康に関する深刻なリスクを高めることが明らかになっている――だが、それでも毎日1時間のウォーキングをすることなど、「無理」だと思う人もいるだろう。 【写真】夕食後に毎日15分歩いたら起こった5つの変化 『英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)』に新たに発表された研究結果によると、毎日なんとか時間を捻出して長時間のウォーキングを行うよりも、短い時間だけ歩く「マイクロウォーク」を繰り返す方が、健康により良い効果があると考えられるという。 ※本記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。
「マイクロウォーク」とは?
研究チームは、10~30秒間のウォーキングを繰り返し行うことを「マイクロウォーク」と定義した。そして、実験に参加するボランティアを募り、10秒から4分まで、それぞれに異なる時間トレッドミルを使って歩いたり、階段を上ったりしてもらった。このとき、被験者たちには酸素摂取量を測定するためのマスクを着用してもらった(酸素摂取量をを測定することで、エネルギーまたはカロリーの消費量を算出することができる)。 その結果、同じ距離を歩いた場合でも、短い時間にわけて繰り返し歩いた人の方が、長い距離を一気に歩いた人よりも最大60%、エネルギーを多く消費していたことがわかったという。つまり、ウォーキングは基本的に、長い時間よりも短時間の方が代謝をより活発にし、より多くのカロリーを燃焼することになると考えられる(消費するエネルギーが多いほど、燃焼するカロリーも多くなる)。 NYにあるソーホー・ストレングス・ラボ(SoHo Strength Lab)の共同創業者であり、登録栄養士、ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)でもあるアルバート・マセニー氏は、例えば5マイル(約8キロメートル)を続けて歩くよりも、短い距離を歩く方が、速いペースで歩くことになる可能性が高まると説明している。 また、「一日を通して活動している方が、循環器系や消化器系の健康にも、メンタルヘルスにも良い」という。 【一日何歩が最適?】 最適な歩数については、さまざまな議論がある。ただ、これまで推奨されてきた「一日1万歩」という歩数には、その効果を裏付ける科学的な根拠がなく、研究の結果「それほど多く歩く必要はないと」の見方が示されている。 理想的には「一日7500歩」程度とされているが、適した歩数は、個人によって異なると考えられる。マセニー氏によると、すでにウォーキングを実践している人なら、一日1万歩を目指してもいいとのこと。ただ、そうではない人や、日常的にあまり歩く機会がないという人は、7500歩を目標とすることをすすめている。