「偏差値40未満→難関校」も!ここ30年での”中学受験”の変化の実態 受験環境や入試内容は大きく変化している
このように、30年前と今では入試制度が変わってきています。 これらは偏差値にこだわらない志望校選びをする人にとっては、受験科目の選択肢が増え、好ましいことだと思います。 新傾向入試で問われる能力は、大手塾に通わなくても、それぞれ専門のスクールに通って高めることができます。そして、身につけたプログラミングやプレゼンのスキルは、今後社会に出たときに大いに役立ちます。 探究する姿勢を身につけ、思考力を高めて、プログラミングができて、仲間と協働して、プレゼンができたら、この令和の時代、やりたいことはたいていかたちにすることができます。国語、算数、理科、社会の勉強はもちろん意味があるものですが、新たなジャンルに取り組むのも自分を生かす道です。
■入試問題の変化1 時事問題の増加 入試問題の中身も変わってきています。30年前は「時事問題を出す学校がある」くらいだったのですが、今では、約8割の学校が時事問題を出しています。しかも、小問として1問だけ出題というのではなくて、大問丸ごと時事問題というケースも目立つようになりました。 受験生にとって時事問題がやっかいなところは、通常のテキストで勉強しているだけでは解けるようにならないことです。そこで、中学受験をめざす子は、小4、5くらいになったら子ども向けの新聞を読み始めることをおすすめします。
いろんな新聞社から子ども向け新聞が出ているので、比較してから定期購読するといいですが、慣れないうちは『読売KODOMO新聞』(読売新聞社)だとハードルが低くおすすめです。1週間に1日の発行なので、読まないうちに溜まってしまうことが避けられますし、四谷大塚監修の受験生向け問題なども掲載されています。 小6になったら毎年10・11月に各出版社から出版される時事問題用の本を手に入れて勉強するようにしましょう。
■入試問題の変化2 資料読み取り問題の増加 現在の入試問題は、資料読み取り問題が多いです。 昔は「読解力」といえば「文章を読んで理解する力」でしたが、今は「図表や資料が示している意図を読み取る力」も読解力に含まれます。最近は特に資料読み取り問題が多くなりました。 このような問題が多くなったのは、「大学入試センター試験」にとってかわった「大学入学共通テスト」の影響です。大学入学共通テストの「対話文」と「資料」の組み合わせ問題に、中学入試問題も寄せてきているのです。