したたかに「アメリカの弱体化」を見越していた、岸田政権が国連演説で見せた「政治的リアリズム」
田原氏はまた「もしも日本が自前の抑止力を持つとすれば、自民党の幹部たちが密かに考えているのは核兵器を持つことであろう」と述べ、さらに、「日本が“普通の国”になるべきだという意見が増えている。“核兵器”を持つとは、イギリスやフランスのように核兵器保有国になるという意味も含んでいる」と述べています。 こうした意見も、トランプが大統領になれば、北朝鮮の核問題とからんで、強く主張されるようになるでしょう。
民主党のカマラが大統領になったとしても、最初は民主主義という理念が強調されるでしょうが、最終的にはアメリカの利益だけが重要になるのです。ですから、日本の防衛力増強は、今後必ず大きな国内問題となってくると思われます。
佐藤 優 :作家・元外務省主任分析官