■“ヒガシ人気”で“筑女”危機感か

英進館　宮園雅樹 取締役

◆英進館　宮園雅樹 取締役 「今まで受けられなかった女子が受けられますから、受験者数は間違いなく増えますし、それによって難易度も上がる」 この“ヒガシ人気”の影響を大きく受けるといわれているのは…。 ◆英進館　宮園雅樹 取締役 「東福岡の共学化で一番危機感を持っているのは筑紫女学園ですね。まず女子がどれくらい流れるかですけど、筑紫女学園であるとか福岡女学院、中村女子もそうですけど、女子校のどの層が東福岡に流れるかというのがある。今年初めてなのでまだ『こうです』とは言えないですけど、そこは我々も注目しているところです」

高校教師だった父親と女子校出身の娘

街の人にも聞いてみました。 ◆20代の娘2人を持つ女性 「私は子供の時、共学がいいなと思っていた」 ◆20代の娘2人を持つ女性 「娘がいた高校も元々女子校だったんですけど、途中で共学になっていいんじゃないかと思います」 高校教師だった父親と女子校出身の娘という親子は… ◆高校教師だった父親 「私学は生き残りをかけて生徒確保しなきゃいけないから、共学化するのは仕方ないでしょうね」 ◆女子校出身の娘 「私のところも共学化します。中村女子高です。性差がなくて活躍できる土台を築いてもらったとすごく思っているので、正直母校が共学化しちゃうのはすごく残念」

■共学化とは異なる方向性打ち出す筑紫女学園

筑紫女学園「通信制課程」説明会(15日)

男子校、女子校の共学化への流れが進む中、違う方向性を打ち出す高校もあります。 福岡市中央区の筑紫女学園高校。 この日行われていたのは、新しく開設する通信制のクラスについての説明会です。

福岡県内の不登校の中学生(福岡県調べ)

新型コロナをきっかけに福岡県内の不登校の中学生の数は年々増えていて、現在では1万人を超えています。 そんな不登校の生徒の受け皿になろうという考えです。

筑紫女学園 通信制設置準備室　佐伯裕子 室長

◆筑紫女学園 通信制設置準備室　佐伯裕子 室長 「学校に来ないという選択は十分これからありだと思いますので、ぜひ学びをあきらめないで継続してほしいと思います。学びを続けたいと思っている生徒さんに来てほしいと思っています。女子のみの通信制ということで、安心感を持って落ち着いた環境で学べるというところは他にはない強みかなと思います」 少子化が進み、新入生の争奪戦が進む中、それぞれの学校が生き残りをかけて勝負手を繰り出しています。 ◆英進館　宮園雅樹 取締役 「今でもなかなか生徒を集めるのに苦労している高校はありますけど、5年後10年後を見据えて生徒を獲得するためにというところはどの高校も考えているんだろうなと思います」

■福岡では「共学化」で偏差値と人気がアップ

福岡県内の男子校の共学化は1994年に西南学院高校が先駆けて実施して、2012年には福岡大学附属大濠高校も共学化し、いずれも共学化をきっかけに偏差値と人気がどんどん上がっていきました。 そこに、既にスポーツなどでネームバリューのある東福岡高校が来年度から割って入る形になりますから、これがどんな影響を与えるのか注目されています。 さらに再来年には中村学園女子高校が男女共学になりますので、福岡の受験事情は今後さらに変化していきそうです。