65年の歴史に幕 奄美群島社会福祉大会 32個人3団体を表彰 鹿児島県龍郷町
第56回奄美群島社会福祉大会(奄美群島社会福祉団体連絡協議会主催)が15日、鹿児島県龍郷町のりゅうゆう館で開かれた。社会福祉の発展に寄与した個人・団体を表彰し、講演を通して研さんを積む目的で開催。12市町村が一堂に会する形での大会開催は今回が最後とあり、群島内から関係者約300人が参加。被表彰者たちの功績をたたえ、65年の歴史に幕を下ろした。 奄美群島社会福祉大会は、社会福祉の発展に寄与した関係者に感謝の意を表すとともに、住民らが主体となった地域創りを推進することを目的に1959年に開始。隔年開催で各市町村持ち回りで実施してきたが、2018年の与論町開催時に「一定の目的は達成した」として大会の打ち切りを決定。その後コロナ禍で開催できずにいたが、今回6年ぶりに最後の大会を開催することができた。 奄美群島社会福祉団体連絡協議会の福山敏裕会長は「今後の展開については、市町村が策定する『地域福祉計画』に対し、推進するための『地域福祉活動計画』を各社協が策定し、行政と両輪となり取り組んでいく。社会福祉大会は今回が最後となるがこれからも引き続き地域福祉に取り組んでいく」とあいさつした。 表彰式では民生委員や児童委員、社会福祉功労者など32個人3団体を表彰。福山会長は一人ひとりに「長年地域住民の福祉向上と発展に寄与し、その功績は顕著である」と労をねぎらった。 記念講演では鹿児島国際大学の岩崎房子教授が「地域共生社会の実現をめざして~ともに紡ぐ豊かな地域社会づくり」と題して講演。少子高齢化が急速に進む日本の状況を示しながら、大和村で行っている大学生のフィールドワークの内容を紹介。「奄美群島は少子高齢化を先取りした地域。結の精神が地域づくりの基盤をなしており、その姿を世界に向けて発信していってほしい」と総括した。
奄美の南海日日新聞