所属部署が「完全在宅勤務」となり、週5日テレワークです。意外と「電気代」がかかるのですが、会社に請求することは可能なのでしょうか?
在宅勤務では、出社の手間が省ける、自由な時間が増えるなどのメリットがあります。しかしその分、これまでの社内業務を全て自宅で行うことになるため、多くの電力を消費することになります。 入社時点で完全在宅勤務として雇用された場合には、在宅勤務分の電気代が手当に入っている人もいます。では、雇用途中で完全在宅勤務となった場合は電気代を会社に請求できるのでしょうか。 本記事では、在宅勤務でかかる電気代とその種類、出社と比べたときの負担の差、請求可否について解説します。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算
在宅勤務時に使用する電化製品
まずは、在宅勤務時に使用する電化製品とその消費電力を見ていきましょう。 ・ノートパソコン:20ワット~30ワット ・デスクトップパソコン:50ワット~150ワット ・モニター:11ワット ・照明(白熱電球):60ワット ・エアコン(冷房):580ワット(立ち上げ時1400ワット) ・エアコン(暖房):660ワット(立ち上げ時2000ワット) 会社と同じ環境で働くと、これらの電化製品を使用します。次に、これらの電気代はそれぞれいくらになるのかを計算してみましょう。
在宅勤務時にかかる電気代
電気代の計算式に当てはめていきます。 電気代=電化製品の消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×電気代単価(円/kWh) 電気代の単価は電力会社・料金プランによって異なります。今回は「全国家庭電気製品公正取引協議会」が公表する「新電力料金目安単価」にのっとり、1キロワットアワーあたりの電気代を単価31円にて計算します。 電気代算出のための環境設定 ・使用電化製品:デスクトップパソコン、モニター、照明(白熱電球)、エアコン(冷房) ・勤務時間:9時~18時(休憩時間を含め9時間) ・月労働日数:20日 休憩時間の1時間の間もパソコン・モニターはじめ各電化製品の電源は落とさないものとします。 ・デスクトップパソコン 150ワット÷1000×9h×31円=約40円 ・モニター 11ワット÷1000×9h×31円=約3円 ・照明(白熱電球) 60ワット÷1000×9h×31円=約16円 ・エアコン(冷房) 立ち上げ時 1400ワット÷1000×1h×31円=約43円 通常運転中 580ワット÷1000×8h×31円=約143円 エアコンは立ち上げの際に一番多くの電気を消費します。今回は部屋を冷やすのに一番電力を消費する立ち上げ後の1時間と、その後室内温度が安定し消費電力が落ち着く8時間で分けて計算をしています。 勤務日の電気代の合計:約245円 1ヶ月間の在宅勤務中にかかる電気代の合計は245円×20日間で、4900円です。週5日間在宅勤務になることで、プラスで5000円近くも電気代が増えることが分かりました。