41年ぶりの快挙「AKB48」岩佐美咲 演歌界の救世主となるか
アイドルグループ「AKB48」の岩佐美咲の新曲「鞆の浦慕情」がヒットを飛ばしている。先月8日に発売された同曲は、日本屈指の美しい港として知られ、「万葉集」に収められた大伴旅人の和歌や宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」などでも描かれた広島・福山市の鞆の浦(とものうら)を舞台に、大人の女性のせつない恋心を歌った作品。 ■オリコン初登場1位を獲得 発売初週で1万2000枚を売り上げ、同月20日付のオリコン・週間シングルランキングで初登場1位を獲得。 同ランキングでの演歌歌手による首位は、09年8月発売の氷川きよしの『ときめきのルンバ』以来、約4年5ヵ月ぶり、10代の演歌歌手としては約27年7ヵ月ぶりとなる。 また、岩佐は一昨年12月リリースのソロデビュー曲『無人駅』、昨年1月のセカンドシングル『もしも私が空に住んでいたら』も同ランキングでトップ10入りしている。 ■41年ぶり、森昌子以来の快挙 演歌・歌謡ソロアーティストによるデビューから3作連続でのトップ10入りは約39年3ヵ月ぶり、女性演歌歌手としては73年2月に森昌子が『中学三年生』で達成して以来、約41年ぶりの快挙となる。 芸能評論家の三杉武氏は語る。 「現役のアイドルが演歌をリリースした例は、過去にも『おニャン子クラブ』の城之内早苗さんや『モーニング娘。』の中澤裕子さん(※中澤ゆうこ名義)などがありますが、音楽不況が叫ばれてCDが売れなくなった昨今において、今回の記録は非常に価値のあるものだと思います」。 そんな岩佐は、08年12月に「AKB48」の研究生オーディションに合格し、翌09年8月に正規メンバーに昇格。「AKB48」のメンバーや先日解散コンサートを行った派生ユニット「渡り廊下走り隊」の一員としても活躍してきた。 その一方で、岩佐自身が同居していた祖父母の影響から幼い頃から演歌をこよなく愛し、イベントやテレビ番組などで「津軽海峡・冬景色」や「天城越え」などの演歌を見事に歌い上げて、その卓越した歌唱力が注目を集める。