満員電車の解消は「早起きから」 東京メトロが仕掛ける混雑緩和作戦
もともとは厚着で混雑する冬のキャンペーン
もともと、同キャンペーンは冬シーズンに実施されていました。冬は防寒で厚着になるので、乗客が同じ数でも車内は窮屈に感じます。それによる混雑緩和と混雑に付随して起きる遅延を防ぐことが当初の目的でした。冬に加えて、今年からは4月13日~7月10日の春シーズンにも実施されました。 「東西線は1日に136万人が乗降する路線です。新入生や新社会人にも早起きの習慣をつけてもらおうと考え、“早起きキャンペーン”を春に実施することになりました」(同) 今回実施された春のキャンペーンは参加者が約1万5000人いました。前回の冬のキャンペーンは、参加者が約1万2000人。参加者は、わずかながら増えています。 ピークタイムの東西線利用者は47万人。その数からすると、“早起きキャンペーン”の参加者は、決して多いとは言えません。それでも、年数を重ねることで着実に“早起きキャンペーン”の認知度は高まっています。 「東西線以外にも混雑対策をしなければならない路線はありますが、まずは東西線の混雑率を180%まで下げることが目標です」(同) 奇しくも、政府は、「早めに仕事を始めて、早めに終える。そして、夕方からオフを楽しむ」という“ゆう活”を今年から奨励しています。東西線の“早起きキャンペーン”は、政府の政策を先取りしていたといえるでしょう。 (小川裕夫=フリーランスライター)