“愛情深い” AI 韓国LG、CESで新コンセプト披露 「AIを再定義する」
人に共感するAI(人工知能)の実現に向けた開発競争が本格化しつつある。韓国LGエレクトロニクスは6日(現地時間)、CES開幕前日にプレスコンファレンスを開き、リビングや車、オフィスなどをシームレスにつなぐAIの新コンセプトを発表した。これまでのAIとは異なる「Affectionate Intelligence(愛情深い知能)」と再定義。人の感情に寄り添った対応をさまざまなシーンでAIが実行するシーン提案を行った。 【関連写真】LGとのパートナーシップを発表したマイクロソフト幹部もビデオ出演 「私たちは愛情深い知性としてAIを再定義する」。1000人を超える参加者を前に、登壇したウィリアム・チョーCEO(最高経営責任者)はこう強調した。 今回のCESでLGが示すAIは、家事負担を軽減したり業務を効率化したりするだけでなく、人の感情に近づけた提案ができるようになることを目指すものだ。機械的な対話とは異なり、例えば傘を忘れて出発しようとする家人に対し、「雨の予報だから傘を持っていって」などと優しく提案する。車中では、出社後に行う会議のプレゼンテーションに緊張する運転手に対し、「緊張しているからリラックスできる音楽をかけるね」などと呼びかける。 こうしたことを可能にするためには、リアルタイムで空間をセンシングする技術とAIが融合し、パーソナライズ化とシームレスなデータ統合を実現する環境を整える必要がある。それに向けた一歩としてLGは、米マイクロソフトと戦略的パートナーシップの締結も発表。家庭や業務などさまざまなシーンにマイクロソフトのAI技術を組み合わせていく方針を打ち出した。 最後にチョーCEOは「われわれの目標はシンプルでありながら限りなく深い」と述べ、人々の生活を豊かにするためにAIを進化させる決意を改めて示した。
電波新聞社 報道本部