南三陸の庁舎、震災遺構で保存 宮城、町職員ら43人が犠牲
宮城県南三陸町は、東日本大震災の津波で町職員ら43人が犠牲となった防災対策庁舎について、県に移している所有権を町に戻した上で、震災遺構として保存する方針を固めた。佐藤仁町長が1日午後、記者会見で表明する見通しだ。関係者が同日、明らかにした。 庁舎を巡っては、津波の脅威を伝える施設として保存すべきだとの意見と、「見るのがつらい」と解体を望む声で町内が割れていた。時間をかけて議論するため、震災から20年後の2031年3月10日まで県に所有権を移し、解体を事実上見送った経緯がある。 庁舎周辺は現在、町の震災復興祈念公園として整備され、防災学習などの目的で訪れる人が絶えない。