まだ間に合う! クルマの「3月決算セール」お得な交渉テク
■オプション選びも賢い選択を! ――そもそもの話ですが、クルマの3月決算セールが注目を集めるワケは? 渡辺 自動車関連企業には3月決算の法人が多い。そのため、3月にラストスパートをかけて売れ行きを少しでも伸ばしたい思惑がある。事実、3月は一年で最もクルマが多く登録(軽自動車は届け出)されており、23年の新車販売の数字を見ると、ニッポン市場の12%を3月が占めているんですよ。 ――3月にクルマが売れるのは、商談で好条件が飛び出すからですか? 渡辺 正直言うと、バブル期のような大盤振る舞いの見積書は減っています。 ――昔のような好条件が飛び出さない理由は? 渡辺 以前に比べると、販売会社が受け取る1台当たりの利益が減ってしまった。特に販売比率の増えた軽自動車は、価格は高くなりましたが、安全装備の充実などにより製造コストが上昇している。 直近では原材料費や輸送費の高騰も影響しています。そのほか以前は自動車メーカーが販売会社に報奨金を支給し、これを原資に値引きを増やしていましたが、近年では報奨金の額が減っていると耳にしています。 ――つまり、今、商談してもあまりいい条件は出ない? 渡辺 そんなことはありません! 昔のようにライバル車と値引き競争をさせて、条件を引き上げる単純な方法は通用しにくいという話です。 ――では、3月決算でお得な条件を引き出すテクを教えてください! 渡辺 まずライバル車の名前を出すだけでは百戦錬磨のセールス担当には、すぐウソだと見抜かれます。私は本当に欲しいクルマと競わせるべきだと考えています。 ――どういうこと? 渡辺 クルマを選ぶとき、同じSUVのカローラクロスとヴェゼルで迷うことは意外と少ない。それよりも、「SUVならカローラクロスだけどコンパクトカーのノートオーラもカッコいいよなぁ!」というように、価格は近いものの、別カテゴリーのクルマに目移りして悩むことが多々ある。