まだ間に合う! クルマの「3月決算セール」お得な交渉テク
――商談では、そういう自分の素直な気持ちを伝えたほうがいいわけですか? 渡辺 こちらの購入する熱意がセールス担当に伝われば、商談モードに火がつきます。 ――冷やかしの客だと思われないことが重要だと。 渡辺 3月の決算はセールス担当が複数の商談を抱えている可能性が高い。そのため、冷やかしの客かどうかの判断や見切りがいつもより早い。欲しいクルマを繁忙期に好条件で手に入れたいなら、まず購入意欲をセールス担当に示したほうがいいですね。 ――ほかには? 渡辺 値引きの商談をする場合は必ず車両本体、ディーラーオプション、下取り車というふうに、個別に値引き額を算出させること。これを値引きの可視化と言います。 ――ほお! 渡辺 そうすることで、例えば「車両値引きは10万円で限界」と言われたら、下取り車の売却額をもう少し増やせないかという交渉が可能になる。見積書にどんぶり勘定の値引き額しかない場合は、交渉の余地さえ生まれません。 ――カーナビなどは、メーカーオプションとディーラーオプションがありますね? 渡辺 ディーラーオプションは販売店の受け取る利益が多い。そのため値引きできる金額が大きく、オプションのサービス装着もしやすい。逆に生産ラインで装着するメーカーオプションは、販売店の儲けが少ないため値引きも少額になる。 ――オプションは賢く選択せよと! 渡辺 同じナビでもメーカーオプションとディーラーオプションでは金額がかなり違うので、商談前にスマホなどを使って価格差を把握すべし! ■下取り車は切り札になる? ――続いては、下取り車の賢い売却法です。 渡辺 3月の決算セール時に下取り車がある場合は、"切り札"になるので、まず足を使って、愛車の相場を知ること。その上で商談に臨む。
――買い取り店はどこでもいいんスか? 渡辺 まずスマホなどで情報収集し、買い取り業者を見極めること。中には売却後に、難癖をつけて減額する極悪業者も。そこに売ったら大損です。 ――買い取り店選び重要! 渡辺 ちなみに愛車をドレスアップしていたり、チューニングを施している場合は、その価値がわかる専門の買い取り店に持ち込んだほうが、査定額が販売店よりもアップする可能性が高いです。 ――ぶっちゃけ、買い取り店に売却するほうがお得なんスか? 渡辺 一時は買い取り店が注目されていましたが、近年では新車の販売会社も中古車ビジネスに本腰を入れており、買い取り台数を増やすため、適正な査定額を提示するようになっています。また、決算セールでは新車の販売店が特別価格で買い取る場合もあります。 ――クルマは個体差があるので、お得の道を極めるなら、汗をかいて下取り価格を徹底的に調べるべきであると。 渡辺 さらにお得を突き詰めるなら、買い取り店の金額が僅差で販売店を上回ったときは、売却を焦らずいったん立ち止まって熟考しましょう。 ――それはなぜ? 渡辺 例えば商談が進んで車両本体からの値引きが上限に達し、それでもまだ予算に見合わないときは、下取り車の買い取り額を上乗せし、条件をさらにアップしてくる場合も。特に数を売りたい決算セール、しかも契約直前の土壇場なら、その可能性は大いにある。 実際、販売店を取材していると、「下取り車があると、お客さまの要望に応じやすい」という話をよく耳にします。 ――愛車を売るときに、キズなどは修理すべき? 渡辺 お金を出してキズなどを修理するのは損です。修理費用を補えるほど査定額は高くなりません(笑)。 ただし、商談前に洗車やワックスがけ、車内の清掃は入念に行なうべきですね。愛車の売却時は、自分は売る側で、販売店は買っていただくお客さまだからです。自分が売る商品を魅力的に見せるように努力するのは当然ですよね。