ホンダから軽商用EV「N-VAN e:」正式発表。EV化のメリット・デメリットを現オーナーが真剣に考えてみた
■ガソリン車FUNターボと比較:運転席 一方の室内では、ドア内張りや荷室の壁などに、縦のビードデザインを採用しているのが印象的だ。ホンダによれば、このデザインは、コンテナから発想したもので、室内を直線基調でスクエアなイメージとすることで、より広々と見える空間を演出したという。 ちなみに、愛車の+STYLE FUNでは、樹脂素材を使ったブラック基調の内装だ。荷物やバイクを積んで小傷がつくと、その部分がちょっと目立ってしまう。対して、e: FUNの内装は、アイボリーを基調としていることもあり、傷が目立ちにくいし、確かにさらに広さを感じる。ただし、例えば、+STYLE FUNでは、ドア内側のノブまわりにブラックの加飾を施したり、インパネ部分にシルバーを加えたりと、スタンダード仕様より高級感がある。e: FUNでは、そうしたスタンダード仕様e: L4との差別化が少ない印象なのが、やや残念だ。
また、従来あった左右フロントドア内側のポケットはなくなった。筆者の場合、ポケットの助手席側に車検証など、運転席側にはポケットティッシュなど小物を入れている。e: FUNでは、ドアポケットのかわりに、運転席の裏側にシートバックポケットを従来の1段から上下2段に変更(他グレードは1段のまま)。また、助手席の裏にヘッドレスト収納バッグを追加している。おそらく、これらに車検証などの書類や、後席や助手席をフロアに収納する場合に取りはずすヘッドレストを入れる設定のようだ。
N-VANはただでさえ収納スペースが少なく、とくにグローブボックスがないことで、運転席や助手席近くにモノを入れにくい。そのため、ドア内側のポケットは、筆者の場合、小物をすぐに取り出せる収納場所として重宝していた。こうした点で、N-VAN e:は、実際に乗ると、ちょっと使いづらさを感じるかもしれない。 ■メーターやシフト操作などはEV仕様に 運転席では、メーターに7インチTFT液晶タイプを採用。ガソリン車は、中央の速度計や左の回転計はオーソドックスな機械式。右側には燃費や走行距離、安全運転支援システムの作動状況などを示すマルチインフォメーションディスプレイを備える。N-VAN e:が採用した全面液晶パネルのメーターは、すべてがデジタル表示となり、より大きくて見やすい仕様となった。また、多様な情報を直感的に見ることができそうな点も好印象だった。