COP29が開幕、危機脱出の道探る2週間 資金や化石燃料焦点に
国連気候変動会議(COP29)が11日、アゼルバイジャンの首都バクーで始まった。約200の国・地域の代表が一堂に会し、温室効果ガスを出す化石燃料の扱いや、途上国支援の資金目標などを議論する。2015年に国際ルール「パリ協定」が採択されてから10年を迎えるのを前に、気候変動は深刻さを増すばかりだ。世界は一丸となって危機を乗り越える道を見つけられるのか。22日まで、2週間の交渉が幕を開けた。 【写真】紛争・分断・トランプ氏 気候変動への世界の結束試されるCOP29 現代社会で、世界中の人々の暮らしや経済を支えているのはエネルギーだ。しかし、これまでの化石燃料中心のエネルギーでは温室効果ガスが排出され、世界気象機関(WMO)によると、大気中の温室効果ガスの世界平均濃度が23年も観測史上最高を更新した。 「地球沸騰」とも呼ばれた昨夏に続き、今夏も世界の平均気温は過去最高。日本でも7月の平均気温が観測史上最も高かった。世界は「気候が崩壊する真っただ中」(グテーレス国連事務総長)にある。 迫る危機の中で、世界は温室効果ガスを出さないエネルギー構造へと大きく転換し始めている。昨年、中東ドバイであったCOP28では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるというパリ協定の目標達成のため、「この10年(2030年まで)で化石燃料からの脱却を加速させる」ことに合意。世界の再生可能エネルギーの発電容量を3倍にすることや原発の活用も決めた。
朝日新聞社