菅首相「ウイルスへの強い警戒維持」 「宣言」6都府県に、期限は5月末
菅義偉(よしひで)首相は7日、記者会見し、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発出していた「緊急事態宣言」の期限を5月末までに延長し、新たに愛知、福岡の2県を追加すると発表した。菅首相は、「大阪では病床のひっ迫状況を改善するために一定の期間を要する。感染力が強いとされる変異株も拡大を続けている。緊急事態宣言を延長し、ウイルスに対する強い警戒を維持し、改めて対策が必要であると判断した」と理由を語った。 【動画】菅首相が会見「緊急事態宣言」5月末まで延長へ
会見で菅首相は、「ゴールデンウィークという大型連休に合わせ、国民のみなさまに短期集中の措置をお願いした。家族での旅行や帰省、友人同士の買い物や行楽などの外出が一斉に増える大型連休という特別の時期には人流を抑える強い措置が必要と考え幅広い要請を行った」と説明。「みなさまのご協力によって、東京や大阪の人流は、4月初めと比較し、夜間は6、7割、昼間は4、5割程度減少している」と成果をアピールした。 一方、「新規感染者数は東京、大阪ともにステージ4を大きく超える水準にあり、それぞれの圏域の中心である愛知や福岡においてもステージ4を超えている」と述べ、宣言の延長・追加への理解を求めた。
「緊急事態宣言」これまでの流れ
1回目は20年4~5月、国内で初めて感染が拡大したいわゆる「第1波」のとき。「人と人との接触機会、8割削減」などが呼び掛けられ、初めに東京、大阪、福岡など7都府県を対象としたが、その後範囲を拡大。一時は全国が対象となった。飲食店、スポーツジム、ライブハウスなど幅広い業種が休業要請の対象となった。 2回目は21年1~3月。年末年始に感染者数が急拡大した「第3波」の際。東京を中心とする首都圏で感染が急拡大し、神奈川・千葉・埼玉を含む1都3県を対象に出された。大阪、愛知、福岡などが追加され、もっとも多いときには11都府県に。休業要請は行われず、飲食店に対する午後8時までの営業時間の短縮要請に留まった。 今回の宣言は3回目。変異ウイルスが広がった大阪、兵庫、京都の関西3府県と新規感染者数が増加傾向にあった東京都が対象となった。菅首相は発出時の会見で、人流が増えるゴールデンウィークを捉えた対策だとし、「効果的な対策を短期間で集中して実施する」と述べた。当初の期間は4月25日から5月11日までの17日間だったが、新規感染者数は減らず、4都府県は延長に。さらに愛知、福岡の2県が追加され、期間は5月31日までとなった。