経済的備え「地震保険」問い合わせが増加
■地震保険の意義
日ごろから2000万円といった大きな額の貯蓄をしておくことは、なかなか難しいと思われます。事前に出来ることはないのか。「経済的な備え」の一つとなるのが「地震保険」です。 地震保険にはある原則があります。それは「ノーロス、ノープロフィット」。つまり保険会社の利益を織り込んでいないのです。 地震保険は政府と民間の保険会社が共同運営しているもので、補償内容や保険料は法律で決まっているのでどの保険会社で加入しても同じです。 また、地震保険は損害のすべてを補償する仕組みではありません。建物と家財それぞれ火災保険の保険金額の30~50%で、建物は5000万円まで、家財は1000万円までといった「契約金額」の上限もあります。
■補償 調査
さらに実際に払われる保険金は損害の状況に応じて以下のように「契約金額」に対する割合で決められています。 ・「全損」の場合は契約金額の100%・「大半損」で60%、・「小半損」で30%・「一部損」で5% 被災した際損保会社に保険金を請求すると、保険会社の専門の担当者が現地を調査して判断します。 一方で大規模な地震の場合は、甚大な被害が出た地域を一括して判断し、迅速な保険金の支払いを優先することがあります。 日本損害保険協会は今回の能登半島地震で火災による焼失や津波による流失が認められる地域(石川県珠洲市・輪島市・志賀町・穴水町・能登町の一部地域)では航空写真を用いて被災状況を確認し、地域単位で「全損地域」「一部全損地域」を認定しました。 共同調査を実施することで、認定地域とされた街区に所在する地震保険の対象は、現地調査を省略して保険金の支払いが可能となります。今回の能登での対応は東日本大震災以降、初めてということです。
■地震保険の支払い額 発表
能登半島地震で住宅や家財が壊れるなどした被災者に対し、損害保険会社が支払った地震保険金の総額は、3月8日時点で610億円に上ったと発表されました。過去7番目の規模となっています。