迷い猫42匹が家族と再会 輪島の漆芸家が保護活動
能登半島地震では、被災したペットが行方不明となったケースも多い。石川県輪島市の「輪島朝市」に暮らし、飼い猫を失った漆芸家桐本滉平さん(31)は、はぐれた猫を保護する活動を続け、これまでに42匹を飼い主と再会させた。 【写真】被災ペットの移動診療が始動 犬や猫、ウサギ、ハトを手分けして診察 1月
3歳の雌グラら仲の良い3匹と暮らしていた。地震発生時は、家族と車で初詣へ向かう途中。ニュースで朝市の火事を知り「ただ3匹のことだけを心配した」。自宅兼工房は全焼。一帯は立ち入り禁止になった。 近くの両親のもとへ避難。朝市に警察が捜索に入る中、近くまで足を運び捕獲器を仕掛けて回った。 2週間後、警察官がグラが死んでいるのを見つけて引き渡してくれた。顔はきれいなままだった。一晩かけて感謝の言葉を伝え、翌日火葬した。 知人にも猫がいなくなったという人が多く、ともに捜して回った。活動をSNSに載せ、同じような境遇の飼い主たちから連絡が来るように。毎日、支援物資として届いた捕獲器を設置する。 「飼い主がどんな気持ちか、痛いほど分かる」と桐本さん。再会がかない泣いて喜ぶ人たちの姿が活動の原動力だ。