今年は「活況」のプロ野球FA市場 目玉は大山悠輔、甲斐拓也の2人 がん克服の苦労人も
プロ野球のフリーエージェント(FA)宣言選手が14日、コミッショナーから公示された。宣言したのはFA有資格選手111人のうち9人で、国内FA宣言選手が7人、海外FA宣言選手が2人だった。今年は申請期限間際に行使を表明する選手が続出。人気球団の中軸打者や、守備の名手であるゴールデングラブ賞常連の強肩捕手など例年になくFA市場が〝活況〟を呈しており、今後の動向が注目される。 【写真】今年行われた日本シリーズに登板した石川柊太 ■菅野、九里は米大リーグ挑戦 米大リーグを目指して海外FA権を行使したのは、菅野智之(巨人)、九里亜蓮(広島)の投手2人。今季15勝を挙げた菅野を巡っては、米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)が「6つの安定した球種を持つまれな投手」と指摘するなど、評価は高い。今季7勝を挙げた九里も米大リーグへの移籍を目指すとみられる。 一方、FA権の行使を表明した選手の中で、特に動向が注目されるのが大山悠輔(阪神)、甲斐拓也(ソフトバンク)の2人だ。 大山は2017年にドラフト1位で阪神入団後、中軸打者として活躍。昨年は38年ぶりの日本一に貢献した。通算137本塁打を誇る右の強打者は、球界では貴重な存在であるだけに、セ・パ両リーグの複数球団が関心を示している。 11年に育成ドラフト6位でソフトバンクに入団した甲斐は、ゴールデングラブ賞を7度獲得するなど強肩の捕手として常勝軍団を支えてきた。ただ、今季の年俸は2億1千万円(推定)で、他球団への移籍が決定した場合には人的補償の発生が想定されるだけに、獲得に名乗りを上げる球団は限定されそうだ。 ■タイトル獲得の右腕も そのほかにも、20年には11勝(3敗)を挙げて最多勝利などのタイトルを獲得した右腕の石川柊太(ソフトバンク)、通算278試合に登板している福谷浩司(中日)も投手陣の強化を目指すチームにとっては魅力。捕手として今季74試合に出場した木下拓哉(中日)も出場機会を求めて宣言した。 一方、出場機会の増加を目指して宣言した茂木栄五郎(楽天)、原口文仁(阪神)の2人の動向も注目される。