プロ野球の交流戦「代打xxx!」、セ・リーグ最強の切り札は誰だ?
セ・リーグ最強の「切り札」は?
次に個人別の成績をみていきたい。表2は各チーム別の「7回以降、3点差以内、得点圏にランナー」の場面での代打起用数トップ3だ。いわばチームごとの「代打の切り札リスト」といえるものである。代打成功が最も多かった中日で最も起用されていたのは小笠原だ。起用数16回はセ・リーグでもトップ。そしてその打率は.417と脅威的な数字、安打数(5)、打点(4)もリーグトップの数字だ。正真正銘の代打の切り札であることは間違いない。そして高橋周も起用数4回ながら打点は2と十分な結果を出している。中日は他にも藤井、ナニータが打点を記録しており、スタメンを外れた選手が代打として機能するという理想的な結果を残しているようだ。 次に起用数が多かったのが阪神の関本。真弓、八木、桧山といった阪神のいわゆる「代打の神様」の系譜を引き継ぐ選手だが、打率.143と低い数字に止まっている。ただそんな中でも打点4はリーグトップタイ。フォアボール2つ、デッドボール3つを記録し、押し出しで2打点を挙げている。打てなくともなんとか最低限の結果を出しているところは、プロ19年目の多くをベンチプレーヤーとして過ごしてきた経験が存分に生かされているのではないだろうか。 起用数3位以降は高橋由(巨人)、森岡(ヤクルト)、後藤(DeNA)が続いている。高橋由と森岡は2打点を挙げ、ある程度の結果を出しているが、後藤は打点が0で併殺打が2回と結果が残せていない。チーム内では井手、下園が少ない起用で結果を出しており、今後は彼らの「切り札化」も十分考えられるだろう。 結果の出ていない広島は新井の5回が最多だが、今はレギュラーとして出場していて現時点での切り札は小窪が務めている。ただ、ここまで代打での打率.615ととんでもない数字を記録しているにもかかわらず、接戦での起用はまだ4回にすぎない。スタメンが固定されたチーム状況という訳でもないので、終盤のチャンスでもうすこし積極的に起用していくことも接戦をものにしていく1つの方法ではないだろうか。 (株)日刊編集センター