「応援するのをやめる」…心無い言葉を糧に女子プロゴルファーになった”ママさんルーキー”が描く夢
心無い声を聞いては、「何日も落ち込んだ」。それでも目の前にいる子どもを見ると沈んでばかりもいられなかった。 「子どもってずっと明るいじゃないですか。そんな姿を見ていると元気ださなきゃって。それに一人の言葉に傷つくよりも、応援してくださる方の声をもっとたくさん聞いていかないといけないなって思いました」 だからこそ、プロテスト合格という結果で示すしかなかった。 「逆にすべてひっくり返せるように頑張ろうとも思えたんです。それにも感謝ですし、今はおめでとうと言ってくれる人もたくさんいるので嬉しいです」 インスタグラムには心無い言葉が来るのかと気にもなったが、あえて家族や子どもの写真を載せて、今の自分を発信するように心がけた。すると周囲の反響が想像とは違う方向に動いていくのを目の当たりにした。 「応援してくれる人がたくさんいて驚きました。特に女性のファンが増えたんです。子育てしながらプロゴルファーとしての活動を応援してくれる人たちがたくさんメッセージをくれて、私の背中を押してくれています。すごく心強い。この前は、ゴルフ場で声をかけてくれた方が『うちの妻がすごく大ファンなんです』と言ってくれて、すごく嬉しかった」 性格を自己分析すると「こうと思ったら突き進んじゃうタイプで頑固」と大笑いしていたが、子育てとゴルフの両立についても「そもそも(両立)できないと思っていなかったというか、“できるもの”だと思っていました。だからすごいことをしているという感じはないんです。今はママさんゴルファーも増えていますし、会社勤めの女性でも仕事と家庭を立派に両立されている方はたくさんいますから」 女性の社会進出、そして職場での子育て支援も増えている時代。国内女子ツアーでも昨年から一部の試合で託児所が用意されたりもしているが、まだ十分とは言えない。 「ゴルフももっといい環境になってほしいという思いはあります。自分にはやる自信がないからとか環境がないから諦めるとかはもったいないと思うんです。誰かと支え合っていけばできることはたくさんある。私のこうしたゴルフ生活も誰かの勇気につながるきっかけになればいいなと思っています」