静岡大学日詰学長の「大学再編リセット」発言を浜松医大は厳しく批判 中野浜松市長も「大変遺憾」
静岡大学と浜松医科大学の再編問題をめぐり、再任が決まった静大の日詰一幸学長が2019年に締結した合意書を白紙撤回する意向を示したことを受け、浜松医科大学は「大変遺憾」と厳しく批判しました。 再編問題では2019年に両大学が法人を1つとしたうえで、静岡地区と浜松地区にそれぞれ異なる特徴を持つ2大学を開校する、いわゆる「1法人2大学」の統合・再編で合意しました。 しかし、静岡大学側は日詰学長が就任後、1つの総合大学化を図る「1大学2校」による再編案を打ちだし、静大の正式案として決定。 日詰学長は、自身の任期満了に伴う次期学長選に立候補し、この再編問題について「年度内に決着をつける」と掲げ、再任を決めました。 日詰学長は再任会見で、「静岡大学を合意書にある2つの地区大学に分割するのではなく、1つの総合大学として発展させていきたい。合意書は2024年度内をめどに 一度リセットする」などと発言しました。 静岡大学は今後、浜松医科大学にこれらの方針を伝えるとしていて、年度内にも再編の方向性をまとめたい考えですが、一方的に合意書の破棄を示された浜松医科大学の今野弘之学長は、「日詰学長が、我々との協議がなされないまま合意書のリセットを記者会見で話されたことは大変遺憾である。このような行為は大学間の信頼を根本的に毀損するものである」と日詰学長の対応を厳しく批判しています。 また、浜松市が主体となって県内の市町や経済会と形成した大学再編期成同盟会の会長を務める浜松の中野祐介市長は、「地域全体で応援してきた中で、説明も一切なされないまま合意書のリセットを記者会見で話されたことは大変遺憾。誠意をもって対応いただくことを強く望む」とコメントしています。