新進気鋭のピアノロックバンド606号室が語る、「等身大の恋愛曲」を作る理由
もっと広がった世界観を出したいと考えて作った新曲「夏が君を離さない」
ーそして、新曲「夏が君を離さない」がリリースされました。先月に発表した「君との日々は退屈だ」に続いてストリングスが導入され、スケール感が増した仕上がりになっています。 昇栄:今のシーンというか、ひとつ抜け出したいなと考えたことがストリングスに繋がりました。 ー抜け出したいというのは、バンドとしてもっと大きくなっていくにはそういったアプローチの楽曲も必要だと? 昇栄:そうですね。やっぱり、今までの楽曲はインディーズバンドやな、って自分の中では結構思ってて。もっと広がった世界観を出したいと考えて作ったのが「君との日々は退屈だ」と「夏が君を離さない」なんです。 ー「夏が君を離さない」は忘れられない夏の恋を噛みしめる、切ないサマーチューンですけど、どういったところからスタートしたんですか? 昇栄:以前から季節に合わせた楽曲を出したいなと思っていて、そこで夏をまずテーマにしました。自分は歌詞から先行して作るんですけど、以前からメモとして残していた<花火が綺麗だねって言う君が/離れなくて溢れそうになる>というフレーズを思い出して広げていったんです。 ー円花さんはデモを渡されたとき、アレンジのイメージはすぐに広がりましたか? 円花:今までの楽曲はイメージも伝えてもらって、それに似合うような参考曲だったり、リファレンスを受けつつ考えていってたんですけど、今回のイントロは去年の夏に考えたモノなんですよ。 昇栄:この曲はサビのメロディーができた後、AメロとBメロが自分の中で上手く繋がらなくて。円花にいくつかイントロを作ってもらってもサビの雰囲気にハマらなくて、そんなときに「去年に作ったヤツがワンチャン合うんちゃう?」って話をしたんです。で、そのイントロの流れからAメロとBメロを作っていきました。 ーじゃあ、昇栄さんと円花さんのキャッチボールでAメロとBメロは生まれていったみたいな。 昇栄:そうなりましたね。 ーしかしながら、ストリングスからバンドサウンドで一気に開けていく印象的なイントロですけど、以前からそのようなアイデアがあったことも驚きです。 円花:どっちかと言うと、こういったアプローチは自分の好きなサウンドでもあって。ただ、去年の私はそのときに606号室には合わないと思ったんですけど、どんどんライブもやっていって、先を見据えるような考えも生まれてきて、今なら使えるかも、と。 ーゆうあさんとくわさんは「夏が君を離さない」にどういった印象を持ちましたか? ゆうあ:夏というテーマがあったので、元気に疾走感のある感じでくるのかなと思ってたんです。でも、実際に聴いてみたら「たしかにこっちの夏もあるよな」みたいな。 くわ:めっちゃ説明が下手くそなんですけど……水色でした。 円花:ハハハハ(笑)。 ーでも、わかりますよ、そのイメージ。日差しが照りつけるわけじゃないし、真っ青な海が広がるわけでもないし。全体的に淡い印象を受けますよね。 くわ:自分は夏の曲というと熱血系ばっかり聴いてきたんで、余計に涼しさも感じましたね。 ーこの曲はストレートにアレンジするとしみじみと聴かせるバラードになりそうだな、とも感じたんです。でも、ピアノやストリングスの彩り、テンポ感もそうですし、ドラマティックに響く流れなっていますよね。 昇栄:ホントに最初に作ったときはもっとゆっくり歌ってたんです。でも、海岸線をひとりで走ってる女の子や男の子をイメージできる楽曲にしたかったのもあって、バラード寄りではあるけど疾走感もあるみたいな。今のテンポに変えていい感じでハマりましたね。 ーアレンジ面はスムーズに進んだんですか? 昇栄:いや~、そうでもなくて。 円花:今回、いちばんたいへんだったんじゃない? 昇栄:新しい部分もあり、いつもより時間はかかりました。 ーこだわったポイントを挙げるとすると? くわ:ドラムのフレーズはめっちゃ変わりましたね。 昇栄:あと、1サビの終わりのピアノの見せ場とか、今までやったらイントロと同じストリングスを持ってきてたと思うんです。でも、やっぱり面白いことをしたいというところでそこにリフを加えたり。メンバーでスタジオに入ったときに悩んだのは、落ちサビの後半、どこからドラムとベースが入るのか、ラスサビにどうやって雰囲気を繋げるのか、みんなで試行錯誤した感がありますね。 ーこういった楽曲が生まれると、ライブの雰囲気もまた変わっていくような予感がします。 昇栄:それはめちゃくちゃ思ってまして。ストリングスが入った楽曲ができて、世界観のあるライブをどう作ればいいのか、上手い流れにするのはどうすればいいのか。まだ正解は出てないんですけど。 ゆうあ:「夏が君を離さない」に限らず、僕らはライブだと曲の入り方や繋ぎもちょっと変えたりしてるんですけど、この曲は特に面白くなるんじゃないかな、とは思ってます。 ーああいったムードのライブもやってみたい、というイメージはありますか? くわ:まだ想像つかないところもあるんですけど、自分はバラードで終わるライブも結構好きなんです。攻撃力高めの曲で最初にめっちゃアゲて、最後はそういった楽曲で終わっても606号室のいい味が出せるんじゃないか、と。 円花:それこそ、この曲で水を使いたいです。 ー水って、噴水的な演出ってことですか? くわ:ドームクラスやん(笑)。 一同:ハハハハ(笑)。 ーでも、それぐらい大きな会場でやっても映える楽曲ということですよね(笑)。 円花:はい(笑)。 ー今後の展開も楽しみになっていきますが、近いところでバンドの目標を挙げるとすれば、どんなことになりますか? 昇栄:10月に初めてツアーをまわるんです。東名阪なんですけど、それを全公演ソールドできたらいいな、と。そして、そこでライブハウスで盛り上がれる新曲も披露できたらいいなと思っています。 <︎リリース情報> 606号室 New Digital Single「夏が君を離さない」 2024年7月17日(水)配信リリース <ライブ情報> 606号室初の東名阪ツアー「ロクマルロックツアー」 2024年10月6日(日)渋谷Spotify O-Crest 2024年10月20日(日)名古屋R・A・D 2024年10月27日(日)大阪LIVE SQUARE 2nd LINE チケット: ※各公演ゲストアーティストあり Official: X: Instagram: TikTok: YouTube:
Ryuji Yakou