新進気鋭のピアノロックバンド606号室が語る、「等身大の恋愛曲」を作る理由
新進気鋭のピアノロックバンド、606号室が恋人と過ごした夏に思いを馳せる新曲「夏が君を離さない」を発表した。まだ2年半とキャリア自体は浅いものの、「君のことは」や「未恋」が話題となり、2回行った自主企画はどちらもソールドアウト。まさに今、ネクストブレイクとして注目を各方面から集めている。 そんな彼らの新曲はリードギターならぬリードピアノが光るバランスは健在ながらも大胆にストリングスも導入し、夏の切なさと適度な疾走感を携えた新機軸とも言える1曲。バンドの成り立ちやそのスタンス、新曲へ懸ける想いまでメンバー全員にじっくりと語ってもらった。 関連記事:Absolute area山口諒也と606号室円花が語る、楽曲制作へのこだわり ー結成して2年半ほどですが、「君のことは」や「未恋」もキッカケになり、かなりの勢いで駆け上がってきた印象もあります。 昇栄(Vo/G):あっという間でしたけど、凄いスピードで駆け上がってきたとは自分たち的にはそんなに感じてなくて。ひとつひとつのことにしっかり向き合った結果ではあるかな、と思ってます。 ー多くの人に響くんじゃないか、みたいな手応えはありましたか? 円花(Pf/Cho):このバンドを始めたころは自分の技術面もそうですし、まだバラバラだった自覚があったんです。正直に言ってわからないところもあったんですけど、初ライブを機に自信もついて頑張っていこうとは思ってました。 ゆうあ(Ba):当たり前だと思うんですけど、全部が上手くいったわけでもなくて。僕らがこれはいいんじゃないかと思って出したのがそうでもなかったり。逆にどうなんだろうなと思っていたのが広がったり。そういった中でいい形で進んだモノが聴かれるようになって、今につながっているのかな、と。 ー活動していく中で意識が切り替わるようなことは? くわ(Dr):もともと、頑張ろうとは思っていたんですけど、初めての自主企画の日、自分の中で意識が変わるタイミングやったと思ってますね。応援してくれる人たち、出てくれたバンド、すべてに対してもっと頑張らないといけないな、と感じたんです。 ー改めてバンドとしての流れを振り返りたいのですが、昇栄さんが大阪芸術大学へ入り、そこで円花さんとの出会いもあって606号室はスタートしたという。そのときはどんなバンドをイメージしていましたか? 昇栄:自分的にはギターロックがやりたかったんです。でも、バンドをやりたくて大学に入ったのにメンバーを集めるだけでも1年ぐらいかかってて。今となっては(円花の)ピアノが強みになっているんですけど、当時は妥協というか、とりあえず(バンドを)やりたいから入って、みたいな感じでした。 ー円花さんが昇栄さんと一緒にバンドをやろうと思ったのは? 円花:もともと、軽音部に入りたかったんですけど、タイミングをミスっちゃったのもあり、私がバンドを組みたいと思ったときにはすでに周りが固まっちゃってて。居場所がないなと思ったとき、ちょうど(昇栄が)プライベートでバンドをやろうとしてるというのを当時いたドラムから聞いて、「バンドをやりたいならウチに入ったら?」と誘ってもらったんです。 ーそうなると、昇栄さんと円花さんがバンドを始めたのは偶然が重なったような。 昇栄:ホントにそうでしたね。 ーその後、楽曲を耳にしたくわさんがオーディションを受けて加入された、と。 くわ:バンドをやりたいと思ってメンバー募集サイトを見てたとき、「君のことは」のMVが添付されてて、イントロがめっちゃ良かったんです。もともと、ピアノが入ってるアーティスト、それこそドリカムとかが好きやったし、他のバンドは音源や文章だけだったのに(606号室は)MVもあるし、ちゃんと本格的だったんですよね。