角田裕毅の速さは「ホンモノ」 中団トップの7位入賞で日本GPに期待も膨らむ
角田裕毅は、目の前にそびえ立っていた『11位の壁』をいとも容易く乗り越え、オーストラリアGP決勝で7位入賞を果たしてみせた。 【写真】「日本レースクイーン大賞2023グランプリ」松田蘭さん撮り下ろしギャラリー(55枚) いや、正しくいえば、いとも容易く見えるほどに完璧なレースで、高い壁を乗り越えてみせた。 「今週末は走りはじめからスムーズに、マシンに対する自信をビルドアップすることができましたし、ずっと安定してトップ10にいられるマシンだったと思います。これは間違いなく、すばらしい準備をしてくれたチームのおかげです」 VCARB 01は金曜から非常に乗りやすく、昨年とは比べものにならないくらいにハードブレーキングもターンインも攻めたドライビングが決められる状態だった。 そこからさらに、金曜から土曜にかけて0.01秒単位の小さなファインチューニングを積み重ね、さらに自信を持って攻められるマシンに仕上げていった、その結果が『予選8位』という今季最上位グリッドだった。 「金曜の時点でもかなりよかったんですけど、そこからさらにあちこちを少しずつ、1/100秒台のセットアップのアジャストができた。そこがよかったなと思います。 これだけタイトな状況なので、予選で自分が100パーセントに近いアタックができれば、それなりにいいポジションに行けるというモチベーションもあります。ひとつひとつのコーナーを最大限に突き詰めつつ、思いきって走れるようにしています」 予選ではマシンの持つポテンシャルを最大限に引き出し、自分自身の力も出しきる。今年の角田がシーズン開幕前からこだわってきた"クオリティ"の追求が、まさにそれだった。 開幕2戦では入賞圏を走りながらも、ずるずるとポジションを落として、ポイントを獲得できなかった。 しかし、レースペースが遅かったわけではなく、戦略やバトルなどの"クオリティ"を突き詰められなかったからこその結末だった。どんなに速さがあろうと、ほんの小さなミスや綻びでポジションを大きく落としてしまうのが、今の"超僅差"のF1だ。