角田裕毅の速さは「ホンモノ」 中団トップの7位入賞で日本GPに期待も膨らむ
【週末を通して中団最上位のポジションをキープ】 「最初にプッシュしすぎるとグレイニングのリスクが高まるので、できる範囲でマネジメントしながら走って、(タイヤが安定した)その後はペースもよくて後続を引き離すことができた。レース終盤はタイヤはいい状態だったので、少しずつプッシュしていきました。チームからの指示もよかったと思いますし、自分自身もうまくマネジメントができたかなと思います」(角田) 最後のスティントに入り、最初はタイヤを傷めないように抑えて走り、安定してきたところでペースを上げる。すると、ハース勢とのギャップはじわじわと広がっていった。今週末のVCARB 01には速さがあり、それを戦略とタイヤの使い方とバトルで完璧にゴールまで運んだのが、RBと角田だった。 そして、長かったレースはようやく58周目のチェッカードフラッグを迎えた。 中団グループ最上位の角田は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とハミルトンのリタイアによって『11位の壁』を越え、8位でフィニッシュすることになった。 さらにレース後、ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG)をクラッシュに追い込んだフェルナンド・アロンソ(アストン・マーティン)にドライブスルーペナルティ(20秒加算ペナルティ)が科された。そのことで、角田はなんと7位入賞を果たすことになった。 「今日はチームもミスなく完璧な戦略をしてくれましたし、僕もミスなくまとめられたと思います。ポイントが獲れるかはどうあれ、まずはミスのないレースで自分たちにやれることをすべてやりきるのが目標だったので、それが達成できたことが一番の自信につながります」 リザルトが7位であれ11位であれ、それは他車の脱落という運でしかない。しかし、中団グループ最上位のポジションをレース週末を通して確固たるものにできたのは、間違いなくRBと角田の実力だった。
【角田裕毅は日本GPで連続ポイント獲得なるか】 次は、初の春開催となる日本GPだ。 「今回はいいかたちでレースをまとめあげることができたので、鈴鹿にも自信を持っていけると思います。日本GPに向けて、日本のみなさんに少しでも期待を持ってもらえる走りができたのはよかったと思います。 日本GPではまだポイントを獲得できていないので、今年はそれを果たしたいと思いますし、そこに向けて今回はいい自信になりました。鈴鹿に向けてリセットして、またチーム全体でプッシュしていきたいと思います」 ついに11位の壁を越え、新生RBと角田に眩しすぎるほどの光明が射してきた。
米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki