【2023年に復活したスイス時計の名門】ユニバーサル・ジュネーブを代表する“コンパックス”とは?
かつてはマニュファクチュールとして高い技術力を誇ったユニバーサル・ジュネーブ。1894年に2人の時計師によってスイスのル・ロックルにて、彼らの名前を冠したデコーム&ペレ社として設立された。しかしほどなくして時計師のひとりが急逝したために社名を変更。後に“ユニバーサズ・ジュネーブ”の名を商標登録し、ブランド名として用いている。 【画像:豊富なバリエーションが展開されたコンパックスシリーズ】 1950年代には北極ルートを飛行するパイロットのためのマイクロローター自動巻き“ポールルーター”、70年代には当時の世界最薄クォーツムーヴメントや音叉時計などを開発しており、時代ごとに最先端の機構を取り入れていたブランドだが、やはりアンティークウオッチファンにとっては、ユニバーサルといえばクロノグラフを思い出すだろう。 ユニバーサル・ジュネーブはクロノグラフを“コンパックス”というコレクションでまとめており、これが高度な機能性を備えたシリーズとして現代でも評価が高い。コレクションが立ち上がったのは1936年のことだが、クロノグラフの製造自体は懐中時計の時代から手がけており、技術の蓄積は十分に成されていた。 コンパックスは初期の段階で12時間積算計、30分積算計、スモールセコンドを備えた3レジスタークロノグラフで、このモデルから豊富なバリエーションを展開することで市場のニーズに応えていった。一例を挙げると、3時位置に45分積算計と9時位置にスモールセコンドを備えた2カウンターの“ユニコンパックス”、簡易的な脈拍計測計を備えた医療用の“メディココンパックス”、3カウンターに加えて12時位置に時刻記録用のリマインダーを備えたパイロット用の“アエロコンパックス”、日付け表示機能を搭載した“ダトコンパックス”などがある。さらに創業50周年の44年には、最上位モデルとしてトリプルカレンダーとムーンフェイズも搭載した全部入りコンプリケーションの“トリコンパックス”も手がけている。