トラックの「巻き込み事故」を根絶できるか? ボルボの最新安全システムで歩行者・自転車への自動ブレーキが可能に!!
スウェーデンのボルボ・トラックスは2024年10月31日、最新の安全システムを発表した。日本でも展開する「ボルボFH」シリーズなど大型トラック用のシステムで、主に歩行者や自転車など弱い立場にある道路利用者の保護を図ったものだ。 【画像ギャラリー】ボルボの最新安全システムとトラック(4枚) 都市部に多い助手席側の巻き込み事故防止へ、自転車への自動ブレーキが可能になったほか、欧州で2028年に施行される予定の安全基準に、数年先駆けて対応した。 文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/AB Volvo
ボルボが歩行者・自転車対応の先進安全システムを発表
交通量の多い道路は歩行者や自転車などの交通弱者にとって危険に満ちている。大型商用車を手掛けているボルボ・トラックスが2024年10月31日に新たに2つの安全機能を発表したのは、まさに歩行者と自転車を保護するためだ。 ボルボは交通弱者を守るためのアクティブセーフティ(衝突回避など危険を未然に回避する予防安全)技術を継続的に開発している。これは同社が長期目標として掲げている「交通事故ゼロ」の実現に向けたものだ。 その最新の実装例がボルボの「アクティブ側方衝突回避支援」(Active Side Collision Avoidance Support)となる。ここでキーワードとなるのが「アクティブ」で、既存の安全システムを進化させ側方警報装置にアクティブブレーキ機能が追加された。 レーダーセンサーがトラックに接近する自転車を検知すると、システムはドライバーに警告を発するとともに、必要であれば衝突回避のための自動ブレーキをかけることが可能になった。これによりトラックを助手席側に旋回する際、自動ブレーキが自転車の巻き込み事故を未然に防ぐという。 ボルボ・トラックスの交通&製品安全担当ディレクターのアンナ・W・バーリング氏はその意義を次のように説明する。 「トラックは都市部の交通死亡事故の15%に関係しており、(都市交通では)非常に経験豊富なトラックドライバーであっても事故回避が困難な状況が起こりえます。ボルボはドライバーだけでなく道路利用者の安全を守るため、トラックの安全パフォーマンスの向上に常に取り組んでいます。 この安全システムは都市環境で自転車の利用者を保護することを目的としており、弊社のトラックが関与する交通事故をゼロにするという長期ビジョン実現に向けた、最新のイノベーションとなります」。 ボルボの「アクティブ側方衝突回避支援」は大型トラックの「FH」「FM」「FMX」に2024年11月から搭載され、同社が展開する世界の全市場で利用可能となる。