〈カシオ〉と多機能時計の話。
そもそも〈カシオ〉は計算機メーカー。ゆえに1974年、初めて発表した腕時計は日付修正の手間を省いたオートカレンダー付きの一本。以来、時刻表示は最低限で、生活に寄り添う特殊機能を盛り込んだ時計作りが、〈カシオ〉の身上になった。歴代のびっくり機能としては、電卓に時刻表管理、血圧計、ゴルフゲームまで! シンプルさを極めたこの一本もちゃっかりBluetoothでスマホと連携。でも、機能は歩数やストップウォッチのログくらいのもので、情報に溺れがちなスマートウォッチとは一線を画する。その潔さこそ、試行錯誤を繰り返してきた同社ならではの矜持なのだろう。縦長フォルムも’90年代の「データバンク」を彷彿させるし、ノスタルジーも込みで惹かれる。 〈CASIO〉 COLLECTION WS-B1000
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〈CASIO〉 COLLECTION WS-B1000 かつてチープカシオと呼ばれたシンプル&ベーシックな時計を集めた〈カシオコレクション〉。約300都市のワールドタイムを搭載し、スマホでその地の標準時に変更可。ケース46.2×41.3㎜、クオーツ、樹脂製。¥9,900(カシオ/カシオ計算機お客様相談室☎0120·088925) photo: Ryohei Ambo, styling: Kazuro Sanbon, grooming: Risa Fukushima, edit: Koji Toyoda(2024年7月 927号初出)
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