【有馬記念】レガレイラ 64年ぶり3歳牝馬Vへ「敷居高くない」と木村哲也調教師
「ファンに納得してもらえるような状態で走らせるのが調教師の仕事。いい体調で出られるように調整していきます」
2年前、イクイノックスと最高の景色を見たトレーナーは自然体で結んだ。賞金順では除外対象だったが、ファン投票で上位に入り、出走に漕ぎ着けたグランプリ。快挙を待ち望むファンの期待が、天才少女の挑戦を後押しする。(山口遥暉)
★17日のレガレイラ
全休日明けの美浦トレーニングセンターの坂路を4ハロン71秒0で軽く1本駆け上がった。楠助手は「いつも通り坂路をゆっくりと。この中間はいい意味で気持ちが入ってきました。前走くらいから食欲がすごく出て、遠慮なく調教もできています。時期的に少し冬毛は伸びていますが、体に張りがあって肉体面もいいです」と好ムードを伝えた。
★スターロッチと柴田政人氏
有馬記念史上、ただ一頭の3歳牝馬Vを果たしているのが1960年のスターロッチだ。オークスを制していたものの、名だたる強豪牡馬がそろっていたため12頭立ての9番人気と低評価。しかし、2番手追走から直線で先頭に立つと、2馬身差をつけて押し切った。
この名牝と縁が深いのが、本紙評論家の柴田政人氏だ。60年の有馬記念で騎乗していたのは、のちに柴田氏の師匠となる高松三太騎手。また、自身に悲願の日本ダービー制覇をもたらしたウイニングチケットは、スターロッチのひ孫にあたる。
柴田氏は「師匠から『すごく強い馬だった』とよく聞いていた。有馬記念の時期は馬場も傷んで力のいる状態になるし、かなりの体力が必要。3歳牝馬で有馬記念を勝つのだから相当な馬だと思う」と評価。「師匠からは『気持ちがすごく難しい血統』だと聞いた。勝ち気な性格が競馬で強さに結びついたのだと思う。ウイニングチケットもこの血統らしい気難しい面はあったけど、かみ合ったときの末脚はすごかった」と振り返った。