34歳、ゲレンデを買う──遂に納車(Vol.6)
29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからメルセデスの“ゲレンデ(Gクラス)”を購入することに。はたして、“跳ね馬”の次はいかに? 【写真】納車されたわがGクラスと筆者
ドアの開閉が誇らしい
勢いで買った2015年式の「G350ブルーテック」が、遂に納車される。人生初のオフローダーかつ4WDだ。 ここ数年、デリケートなちょっと古いフェラーリを乗っていたこともあって、はたして、堅牢なドイツ車とのカーライフが想像つかない。周囲からは「フェラーリと比べれば気楽だよ」と、アドバイスされた。ここ数年、整備やカスタマイズで1年あたり3桁万円の出費を要していたので、“気楽”という言葉はありがたい。 早速、購入したエスアンドカンパニー埼玉店(埼玉県三郷市)に向かう。到着すると、そこには「77-77」のナンバープレートを装着した、ブラックのわがG350ブルーテックがあった。 間近で見るG350ブルーテックは、思いのほかコンパクト。全長4530mmは、現行のホンダ「シビック」(全長4560mm)より短い。ちなみに全幅はG350ブルーテックが1860mmであるのに対し現行シビックは1800mmだから、それほど差がない。シビックが肥大化したことに、時の流れを感じる。 「こっちで色々と整備はしたけれども、状態はかない良い個体だったから安心して」と、エスアンドカンパニーの鹿田能規代表は話す。 ちなみに鹿田代表自身もGクラスを乗り継いでいるので、あらゆる情報に精通している。訊くと、購入したG350ブルーテックにウィークポイントはほとんどないらしい。定期的な整備はマストだが、目玉が飛び出るような修理費となるトラブルは少ないという。 かつて乗っていたフェラーリ「カリフォルニア」が、修理費に数百万円要するトラブルの可能性がゼロでなかったのとは対照的だ。日々に足として威力を発揮するのは間違いない。 鹿田代表から鍵を受け取り、ドアを開ける。アウタードアハンドルに手をかけ、力を込めて開けなくてはならないのがGクラスの伝統。乗り込んでからドアを閉めると「ドスン」と、重厚な音が車内に響く。ドア開閉時の音だけでも、Gクラスを所有したことの満足感を得られる。 これまでのフェラーリと比べ、各所の作り込みがしっかりしているのが印象的だ。さまざまなスイッチの操作性も良く、さすが高級車のメルセデス・ベンツ! と、唸った。