更年期の倦怠感・意欲の低下は肝機能障害や貧血の可能性も!【更年期症状と間違えやすい病気に要注意! ⑧】
疲労感は貧血でも起こります
疲れやすいといった症状は貧血でも起こるそう。 「貧血は血液中の赤血球の中にある、ヘモグロビンの濃度が低くなった状態です。すると酸素を体の隅々まで運ぶことができません。そのため、体内の酸素が不足して、体が疲れやすくなります。ほかに息切れやめまい、頭痛、動悸などの症状も。 成人女性では血液検査でヘモグロビン値(HbやHGB)が12g/dL未満の場合に、貧血と診断されます。 原因は閉経前の過多月経や頻発月経などで、経血が増加することで鉄分が不足することが考えられます。ヘモグロビンは鉄から作られるので、鉄分が不足するとヘモグロビン値が低下して貧血状態になるのです。これを鉄欠乏性貧血といいます。 貧血の診断基準ではヘモグロビン値が正常範囲でも、体内の貯蓄鉄フェリチンが不足している『隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)』の場合もあります。 血液検査を行い、鉄不足が確認されたら鉄剤などが処方されたり、出血が多い場合は月経 をコントロールする治療を行うことも。日頃から、レバーや赤身の肉や魚などで鉄分の多い食事を積極的にとるようにしましょう」
【教えてくれたのは】 小川真里子さん 産婦人科医、医学博士。福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 特任教授。日本産科婦人科学会・日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医・指導医。専門は更年期医療学、女性心身医学、女性ヘルスケア。相談やカウンセリングを中心としたケアサポートとともに、最新のテクノロジーや視点を取り入れて、更年期を取り巻く環境や文化を積極的にアップデート。 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子