石破首相、支持率急落も世論調査「辞任必要ない」多数の倒錯 就任直後、政局の混乱忌避か
先の衆院選後、複数の報道機関が行った世論調査で、首相は「自民、公明両党で過半数」という目標を達成できなかったにも関わらず、「辞任すべきでない」とする意見が多数を占めたことが注目を集めている。石破茂内閣の支持率は急落したが、首相は就任して間もないことや、政局の混乱が長引くことへの忌避感が背景にありそうだ。 【表でみる】11月の主な政治日程 「石破外交」の行方も不透明に… ■共同65・7%、読売は56% 共同通信社が28、29の両日の実施した緊急の電話世論調査で、首相が過半数割れの責任を取り辞任すべきだとの回答は28・6%にとどまり、辞任は必要ないが65・7%に上った。内閣支持率は32・1%で、内閣発足に伴う10月1、2両日調査の50・7%から18・6ポイント急落した。不支持率は52・2%だった。 また、読売新聞社が28、29両日に実施した世論調査でも、首相は辞任するべきだと思うかについて「思わない」が56%、「思う」は29%だったという。内閣支持率は34%で1、2両日の調査の51%から下落した。不支持率は51%(前回32%)だった。 石破内閣の不支持率が高いにも関わらず、首相の続投を望む声が高いという倒錯した状況となっている。 ■「しばらくOK」消極的支持か 報道ベンチャー「JX通信社」(東京)の米重克洋社長は、「内閣支持率が下がったのは首相への評価だろう。ただ、『政治とカネ』や物価高の問題は前政権からあった。就任したばかりの石破首相が負うべきではないとの有権者心理が働いているのではないか」と分析する。その上で「『しばらくやってもいい』という、積極的支持ではなく消極的支持だろう。(長く非主流派の立場から持論を唱える傾向にあった)首相に関しては過去の発言との矛盾も問われかねない」と述べ、厳しい政権運営を強いられる可能性を指摘した。