「お菓子の中に虫が…」報告後の対応でチロルチョコとシャトレーゼで分かれた明暗
仮に悪質な投稿だったとしても(犯人に法的措置が取られるのは当然ですが)、企業側には悪影響があります。初動対応が遅れたり、隠蔽したりすれば、企業ブランドに傷がつくリスクは否めません。企業側はむしろ、「こうした問題は必ず起こる」という前提のもとに、その時、どう対応するかを過去の事例を参考に、細かくシミュレーションしておくことが大切です。対応は迅速な公表だけでなく、原因調査、保健所への届け出、再発防止策の策定など多岐にわたり、その時になって慌てていては後手にまわるからです。
もちろん現実のトラブルには様々なケースがあり、シミュレーションをしていても完全な対応ができるとは限りません。ケースごとに柔軟な対応を必要とされることもあるでしょう。完璧な対応をしても、悪影響がまったくないわけではありません。 しかし、トラブルを想定したシミュレーションや準備をしないより、しておいたほうが初動で間違いを犯すリスクや悪影響の度合いは著しく低くなります。企業がその準備をする時、今回の2つの企業の初動や事後の対応が重要な参考資料になることは間違いありません。
日高 広太郎 :広報コンサルタント、ジャーナリスト