【交流戦開幕】昨季は負け越し…強力パ・リーグ打線に岡田阪神自慢のリリーフ陣は立ち向かえるのか?交流戦”を乗り切るポイントを下柳剛が緊急提言
昨季、38年ぶりに悲願の日本一に輝いた阪神タイガースは今季、球団史上初の連覇に挑む。その戦いぶりを、2004~2008年の第一次岡田彰布政権下で先発投手として最も多くの勝利数を記録した野球評論家・下柳剛氏が分析。当時の経験を織り交ぜた確かな洞察力は阪神ファンならずとも必読だ。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 前編記事『球団史上初の連覇に挑む岡田阪神を、下柳剛が分析! チーム打率最下位で首位キープ…「打てない主軸」をカバーする「最強投手陣」強さの秘訣』に引き続き、本稿ではいよいよ28日から始まる交流戦を乗り切るための課題について解説する。
交流戦前に露呈した不安要素
序盤戦で阪神が首位に立てたのは投手陣、特にリリーフ陣のおかげ。でも、今の勝ちパターンがこの先もずっと続くとは考えづらい。 今、勝ちパターンで投げているリリーフ陣はずっと僅差の試合でばかり投げてきている。桐敷拓馬、島本浩也、石井大智、ゲラ、岩崎優。僅差で勝っている試合で重宝するのがこの5人だとして、このままの展開でシーズン終わりまではとてもじゃないけどもたない。点差が大きく開いた勝ち試合で、本来ならビハインドで投げる選手もうまく使ってかないと危うい。 現に、交流戦前の最後のカードとなった甲子園での対巨人3連戦では、初戦で戸郷にノーノーを許し、続く2戦目はビーズリーの好投で勝ったものの、3戦目は頼みのゲラ、岩崎がそろって打たれて延長10回の末1-2で逆転負け。 それまで4カード連続で勝ち越していた流れ、さらに3連戦の初戦を落とした後に連勝しての勝ち越し、なによりそれまで1点差の試合を13勝3敗で乗り切ってきた踏ん張りが、交流戦前最後のカードで崩れた。しかも最後はリリーフ陣が打たれた。これから始まる交流戦にひとつ、不安要素が表に出てきてしまった形だ。
クリーンナップの復調が不可欠
交流戦では、たとえばソフトバンクのような強力打線に対して、阪神リリーフ陣がどれくらい立ち向かえるのか、楽しみでもある。ポイントは各カード3連戦の頭、初戦を勝てるかどうか。ここのところの阪神は3連戦の頭を落とした後、2連勝して勝ち越すパターンが多かった。 この流れを作ってくれたのは2戦目の先発ピッチャー。特に大竹が好投してくれたことが大きい。ただ、そこにかかってくる重圧は相当なもの。これが交流戦になって、パ・リーグのイケイケドンドンの野球にハマったら、初戦を落とした流れで同一カード3連敗もありうる。そうならないためには3連戦の初戦を勝って、パ・リーグ各チームの鼻をへし折りたいところだ。交流戦では3連戦初戦のピッチャーがポイントになることは間違いないと思う。 そして待たれるのが打撃陣、特に3、4、5番を打つクリーンナップの復調だ。今、2軍で調整中の佐藤は阪神攻撃陣にとって間違いなくキーマンとなる選手。昨季も6月に2軍落ちを経験した。でもそこから復調して1軍に戻ってきてから阪神の快進撃が始まった。昨年12月にアメリカに渡って動作解析をして調べてきたことをもう一度信じて、やり直してきてほしい。
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