【交流戦開幕】昨季は負け越し…強力パ・リーグ打線に岡田阪神自慢のリリーフ陣は立ち向かえるのか?交流戦”を乗り切るポイントを下柳剛が緊急提言
「一発」を狙え!ダメなら「足を絡めた攻撃」を
大山は打率が低い一方で、大事な場面できっちり打点を挙げている。その点は評価できる。でも、ランナーがいない時やケースをあまり考えないでいい場面では、もう少し一発狙いのスイングをしてもいい。三振でもいいから思い切り振ってみてほしい。全体的にこぢんまりしてしまっている。 たとえば先頭バッターだったら出塁しなければいけない気持ちがあるのも分かるけど、1アウトや2アウトでランナーがいない場面なら、一発狙うくらいの思い切りがほしいところ。なぜなら、今の阪神打線からは一発打つ脅威というのが感じられないから。ホームランを打たれる怖れがない打線は、ピッチャーからするとかなり攻めやすい。 とはいえ、簡単にホームランが増えることは想像しがたい。となると、セ・リーグでの序盤戦同様、ロースコアの試合が増えて、ピッチャー頼みの守り勝つ展開が増えてくる。 その時に意識したいのが足。1番近本光司、2番中野拓夢は足が速いのに、ここまでいまいち活かしきれていない。昨シーズンはリーグ1位の盗塁数だったのに(79)、今シーズンは今のところリーグ5位(15)。昨シーズンは四球から足を絡めた攻撃がよく見えられた一方、今シーズンはその動きがあまりない。 パ・リーグには走れる選手がゴロゴロいる。加えて長打力もある。現状のまま、まともにぶつかったら厳しい。打撃陣の復調か、それが難しければ足を絡めた攻撃を増やすか。なにか手を打って投手陣を助けてほしい。 ---------- プロフィール 長崎県出身。1990年ダイエーにドラフト4位で入団。1996年、日本ハムへ移籍。先発・中継として活躍し、60試合以上登板が4度という鉄腕ぶりを発揮した。2003年に阪神へ移籍し、黄金期の中心ピッチャーとして9年で5度の二桁勝利。2005年には史上最年長で最多勝を獲得した。2013年の現役引退後は解説者として活躍する一方で、釣りやアウトドアなど趣味をいかした番組にも多数出演。 柳に風【下柳剛公式チャンネル】https://www.youtube.com/@yanaginikaze ---------- ・・・・・・ 後編記事『交流戦前にセ首位に立つ阪神を下柳剛が徹底分析! ケガ人を出さない理由から自身が体験した岡田流チームマネジメント術まで…「強さの秘訣」を解き明かす』では、岡田監督ならではの選手との接し方やチームの組み立て方、さらに大きなケガ人を出さないコンディショニングの秘訣についても解説していきます。
伊藤 亮(編集兼ライター)
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