給料をもらって涙、投資をして涙「手取りがもっと増やせたら…」税理士がやさしく教える「所得税」と「控除」の超キホン
所得控除:自分や家族のために支払った特定の費用を所得から引く
「所得控除」には、物的控除と人的控除として14種類あります。基礎控除はすべての納税者に適用され、ほかにも配偶者控除、扶養控除、医療費控除などがあります。これらの控除は、納税者が自己や家族のために支払った特定の費用を所得から差し引くことを可能にし、税額を減少させます。 たとえば、配偶者控除や扶養控除は納税者の家族構成や家族の所得によって適用範囲が決まります。また、医療費控除は、一定額以上の医療費を支出した場合に適用されます。社会保険料控除は、支払った社会保険料を全額控除できます。 所得に税率を乗じる所得税額の計算には、総合課税と分離課税があります。総合課税では、課税所得金額に対して超過累進税率を適用して税額を求めます。例えば、課税所得が700万円の場合、23%の税率を適用し、控除額を引いた後の税額を計算します。
税額控除:算出された所得税額から一定額を控除する制度
「税額控除」は、算出された所得税額から一定額を控除する制度で、配当控除や住宅借入金等特別控除があります。配当控除は、配当所得に対して適用され、二重課税の軽減を目的としています。課税総所得金額に応じて控除額が変わります。また、住宅借入金等特別控除は、一定の条件を満たす住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に適用される控除です。控除額は借入金の年末残高に一定率を掛けて計算され、最大13年間適用されます。この控除を受けるためには、入居や所得金額、住宅の床面積などに関する複数の要件を満たす必要があります。 源泉徴収制度では、支払者が給与や退職金などの所得に対して税金を徴収し、納税者に代わって税務署に納めます。
確定申告:事業所得や不動産所得、青色申告制度利用で特典も!
「確定申告」は原則として納税者が所得金額や所得税額を計算し、税務署に提出しますが、給与所得者は年末調整でこれが行われるため、通常は確定申告の必要はありません。 事業所得や不動産所得の青色申告制度を利用すると、特別控除や純損失の繰越控除など様々な特典を活用することができます。損失の繰越しや繰り戻しも行えるため、税負担の軽減につながります。 岸田 康雄 公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
岸田 康雄