給料をもらって涙、投資をして涙「手取りがもっと増やせたら…」税理士がやさしく教える「所得税」と「控除」の超キホン
不動産所得:不動産の貸付けから得られる所得のこと
「不動産所得」は、不動産の貸付けから得られる所得で、年間の収入から必要経費を控除して算出されます。収入には家賃や駐車場料金などが含まれ、敷金や保証金は含まれません。経費には固定資産税や管理費、修繕費などが含まれます。青色事業専従者給与では、実際に支払った給与を経費として全額控除できますが、適切な届出が必要です。 事業的規模の賃貸経営、例えばアパートが10室以上など、特定の基準を満たす場合には、青色申告特別控除が適用され、最大65万円の所得控除が受けられます。
給与所得:給料、ボーナスのこと。住宅手当、家族手当も含む
「給与所得」は、給料やボーナスなどです。住宅手当や家族手当なども含まれます。給与所得は、収入から給与所得控除を差し引いて算出されます。 給与所得者は、年末調整を通じて、1年間の給与収入に対する税額と毎月の源泉徴収税額の差が精算されます。
退職所得:退職手当や一時金など、退職に際して受け取る所得
「退職所得」は、退職手当や一時金など、退職に際して受け取る所得です。分離課税となり、会社が行う源泉徴収で税務が完了します。退職所得控除は勤続年数に応じて計算されます。
譲渡所得:土地や株など、資産を譲渡したことで得られる所得
「譲渡所得」は、資産を譲渡したことによって得られる所得です。譲渡所得は、「土地建物等の譲渡所得」「株式等の譲渡所得」および「その他の資産の譲渡所得」に分けられます。 土地や建物の譲渡所得は所有期間に応じて短期または長期に分類され、異なる税率が適用されます。一方、株式の譲渡所得には所有期間による区別はなく、一律の税率が適用されます。 土地建物の譲渡所得は、譲渡収入から取得費と譲渡費用を差し引いた金額であり、建物の場合は減価償却を考慮します。株式等の譲渡では、取得費と譲渡費用、借入金の利子が控除可能です。
損益通算:不動産所得等の損失を、ほかの所得の黒字と相殺!
「損益通算」は、異なる所得カテゴリー間で損失と利益を相殺し、課税対象所得を減少させる制度です。対象となるのは、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の損失で、これらから生じた赤字をほかの所得の黒字と相殺できます。なお、利子所得や退職所得では計算上の損失は発生しませんし、雑所得や一時所得の損失は限定的にしか相殺できません。 損益通算は、経常所得グループと譲渡・一時所得グループに分けて行われます。最終的に残った損失は純損失として扱われ、青色申告者はこの損失を翌年以降3年間にわたって繰り越して控除するか、繰り戻して前年の所得税の還付を請求できます。