千葉の2件、国登録文化財へ 外観房州街道の繁栄を伝える商家主屋と銚子の旧家石蔵
国の文化審議会は22日、かつて旧陸軍の軍馬用の餌(飼葉)を販売していた大正時代の商家、宮本家住宅主屋(おもや)(千葉市中央区蘇我)と、明治時代から旧家の貴重な家財用の蔵として使われてきた旧明石家住宅石蔵(千葉県銚子市新地町)の2件を、国の登録有形文化財に登録するよう文部科学相に答申した。千葉県教育委員会文化財課によると、今後、正式に登録されると千葉県内の登録有形文化財(建造物)は317件になる。 宮本家住宅主屋は大正12(1923)年に建てられた。船橋と館山を結ぶ房州街道沿いに位置する。 四方に傾斜する屋根面がある寄棟造で、ひさしが前に張り出した出桁造(だしげたづくり)が特徴だ。屋根の一番高い場所には家紋などの入った鬼瓦を飾ることで、街道沿いの繁栄を今に伝えている。 同課によると、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」とする登録基準に合致した。 旧明石家住宅石蔵は銚子漁港の西側にある。かつて缶詰加工業を営んだ商家の蔵だ。二階建てで、屋根下の外壁に蛇腹をめぐらせるなど、洋風のデザインを施した。明治10(1877)年にでき、昭和45年などに改修された。 同課によると、「造形の模範になっている」と高い評価を受けた。今後も手を加え、使用できるようにしていくという。