「このお見合い、絶対に御破算にする!!」手芸男子と夢女子が、お互いの“好き”を守るための偽装ラブストーリー『推したいしております。』【書評】
本作の根幹にあるのは、「自分の好きを理解されない寂しさ」だろう。太陽も理子も、名家の人間として“あるべき姿”を求められ、プレッシャーを浴び続ける日々を送っていた。そんな中で見つけた夢中になれるモノも周囲からは理解されず、まだ16歳の彼らは傷ついていた。初めて自分の好きなものを受け入れてくれた人。味方でいてくれる人。ふたりは偽装カップルを続けるうちに、お互いの存在に安らぎを覚えていくのだが、その姿にほんの少し羨ましさを感じてならない。 『推したいしております。』(しちみ/白泉社)単行本第1巻は、11月5日(火)に発売された。偽装から始まったふたりの関係はどう変わっていくのだろうか。 文=倉本菜生