【毎日書評】大きな成功より「1ミリの成功体験」を重ねた方が幸せになれる理由
小さなことの先に「望む仕事」がひそんでいる
著者は悩み相談を受ける際、「仕事がない」という悩みを聞くことが多いのだそうです。雇用は景気に左右されるものですし、たしかに仕事を得ることは決して簡単ではないかもしれません。 ですが、仕事というものは高望みさえしなければ、いつの時代でも何かしらあるものです。 「仕事がない」という人は、業務内容、給料、待遇、勤務地など、自分でさまざまな条件をつけて「選んで」いるのではないでしょうか。(108ページより) もちろん、自分に合った仕事を選ぶことは大切です。けれども、「高望み」にならないことが重要だということ。ところが」「仕事がない」と嘆く人は、えてして「大きな仕事をしたい」「立派な仕事をしたい」という大きな欲に振り回されているように感じると著者はいうのです。 そのため、少し厳しく聞こえてしまうとわかってはいても、「仕事がない」という人にはあえて「プライドが高くなりすぎてはいませんか」と尋ねるようにしているのだといいます。 まずは、どんな仕事でもいいと思うのです。与えられた仕事に喜んで取り組んで、一生懸命になってください。あなたを見ている人はきっといるはずです。その頑張りを認めて、あなたを引き上げたり、味方になったり、新しい仕事につなげてくれたり、必ずあなたの力になってくれるはずです。(109ページより) 仕事とは、そうやって自分の力が認められることによって「広がっていくもの」なのです。 だからこそ、たとえ小さな仕事であったとしてもその先には、より大きな仕事がひそんでいるものだと考え、前向きに日々の仕事に取り組むことこそが大切なのでしょう。 逆にいえば、もし与えられた業務を「こんな仕事」と吐き捨てるように見ている限り、仕事は永遠に「小さくつまらないもの」であり続けるわけです。 聖書にこんな言葉があります。 「ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である」 (ルカによる福音書 16章10節) (109ページより) 小さいことに一生懸命になれない人に、大きなことなどできるはずがありません。この真理は、仕事に限らずなんにでもあてはまると著者は述べています。(108ページより)