ゼネラル・モーターズ、F1パワーユニット製造に向け新会社設立。キャデラックF1フルワークス化の準備進行中
F1へ新規参戦することが決まったキャデラックは、将来的なパワーユニットの内製化に向けた新会社を設立した。 【ギャラリー】モータースポーツ色強めで現地の様子をお届け! 東京オートサロン2025 当初、このプロジェクトはアンドレッティ・グローバルがF1参戦を目指して始まったが一度は否決。後にアンドレッティの経営を引き継いだTWGとゼネラル・モーターズ傘下ブランドのキャデラックと組む形で2026年からのF1参戦が決まった。 キャデラックは参戦当初はフェラーリからパワーユニットの供給を受けるが2028年以降に独自のパワーユニットを製造し、フルワークス化を目指すとされていた。そして先日、その実現に向けた新会社の設立が明かされた。 新会社の名称はGMパフォーマンスパワーユニットLLC(GMPPU)。CEOにはラス・オブレンスが任命された。 オブレンスは以前、コルベットのエンジンを生産してきたGMのモータースポーツ推進・パフォーマンスチームのディレクターを務めてきた人物だ。 TWGのダン・タリウスCEOは、次のようにコメントを寄せた。 「ラスをこのような極めて重要な役割に迎えられることができ、嬉しく思う」 「彼の経験とリーダーシップはキャデラックのF1への道のりを築いて行く上で、重要な役割を果たしてくれるだろう」 「チーム代表のグレアム・ロードンと共に、彼らがチームを率い、このスポーツにおけるイノベーションとパフォーマンスの新たな基準を確立していくだろう」 またGMのマーク・ロイスも、期待を寄せた。 「ラスは多くの選手権レースシリーズにおける豊富な経験を積んでおり、ハイブリッドIMSAキャデラックやコルベットC8.Rエンジンの陣頭指揮を取るなど技術的な専門家でもあり、それらは勝利によって証明されている」 「F1で我々はGMのエンジニアリングと技術力をグローバルなステージで示していくことになるが、ラスはそれを実現するためのパワーユニットチームを率いるに相応しい人物だ」 なおGM PPUのために、アメリカのノースカロライナ州シャーロットにあるGMのテクニカルセンター近くに、新たな施設が2026年にも建設されることになる。 「アメリカで作られたF1パワーユニットを投入するためのチームを作り、率いる機会を得られたことに心の底から興奮している」 オブレンスはそう語る。 「GM PPUは現在チームを増強しており、ビジネスの様々な分野で採用を行っている」 なおキャデラックのプレスリリースでは、「10年後」までにフルワークスチームとなるためのものだとされている。また声明の中では「キャデラックF1チームはGMエンジンがレースでの使用が承認されるまでフェラーリのパワーユニットを使用する」という文言と組み合わされているため、フェラーリ製PUの使用が長引く可能性があることが示唆されている。
Alex Kalinauckas