「知らない星に16日間も!?」『銀河鉄道999』停車時間が長すぎる星で起こった「驚きのエピソード」
■とんでもない印象工作「ざんげの国」2週間と6時間21分32秒
コミックス4巻「ざんげの国」にて、清らかで正しく美しい人が集まるといわれる“ざんげの国”に停車した999号。ここでの滞在時間は2週間と6時間21分32秒と、非常に長く、なおかつ中途半端な時間である。 鉄郎、メーテル、そして休暇をもらった車掌の3人がこの星に降り立つが、車掌が強盗に襲われたのを皮切りに、鉄郎とメーテルも何者かに連れ去られてしまう。その後、2人は記憶を消されそうになるが、メーテルが危険を察知しておこなった反射剤の処置により、記憶を消されることを免れた。 この星では、ここに訪れた旅人に“清潔で清らかで正しくて美しい人々の星”という印象を無理やり植え付ける工作が行われていた。それをおこなう清潔管理局の人たちは執拗に記憶を消そうと鉄郎たちを追い回すが、結局失敗に終わる。 星を発つときメーテルは、“さようなら、清く正しく美しく、ウソでぬりかためた いつわりの星にすむ聖人さんたち”と言い、「生涯……その『地獄』で暮らしなさい」と憤る様子を見せている。 他人に“清らかな星”という印象を強要し、記憶を消すことまでして良いイメージを作り上げようとするその執着に恐怖を覚える。 物語の最後には「もし聖人ばかりの世界があるとしたら、そこはたぶん『地獄』という名で呼ばれるだろう……」という解説が添えられている。この言葉が示す通り、偽りの清らかさを追求することの虚しさが際立つ結末であった。
■旅の重要アイテムはここで獲得した土星の衛星「タイタン」16日
『銀河鉄道999』のストーリーでもっとも長い停車時間である駅は、コミックス1巻の「タイタンの眠れる戦士」に登場する土星の衛星“タイタン”である。ここの1日は地球時間の16日間に相当するため、停車時間も16日間であった。 この星は地球よりも緑豊かな惑星であるが土星からの光が強く、帽子などを被っていないと土星射病になるリスクがある。また個人の自由をさまたげると罪になる「楽国法」という法律があり、殺人や強盗が横行していた。 案の定この星に到着した途端メーテルは連れ去られてしまい、鉄郎は一人の女性に助けられる。メーテルを救出しに向かう鉄郎に対し、彼女は息子の形見である“戦士の銃”と帽子を譲り、それを身につけた鉄郎はメーテルの救出に向かうのであった。 鉄郎はその後、ここでもらった帽子をかぶる姿がトレードマークになり、戦士の銃によって何度も命を救われている。タイタンでの経験は、鉄郎のその後の旅に大きな影響を与えるものとなった。 ただし上記のエピソードはたった1日での出来事である。残り15日間、“列車の中で本でも読んで過ごす”と鉄郎は言っており、その理由を“めちゃくちゃな法律で好き放題にやっているこの楽園で遊びほうけて、この星の人間のようになりたくない”と、述べている。 タイタンという無法地帯での冒険は、鉄郎にとって重要な教訓と装備を与えるものとなった。