3度目の正直!アラタが福島記念V 過去2度騎乗の大野「馬が偉かった」と相棒の頑張りをたたえる
◇10日 「第60回福島記念」(G3・福島・芝2000メートル) 7番人気のアラタが2分0秒7で優勝し、重賞初制覇を飾った。同馬は7歳牡馬でこれが通算26戦目だった。6番人気のフェアエールングが1馬身差の2着、さらに半馬身差の3着に3番人気のダンディズムが入った。1番人気のドクタードリトルは7着に敗れた。 ◇ ◇ 3度目の正直だ。2021年、22年と連続して1番人気に支持されるもともに3着と苦杯をなめてきたアラタが、4年越しでリベンジに成功した。 道中は後方2番手をじっくり追走。勝負どころで馬群がタイトにまとまると大外を一気に進出し直線へ。57・5キロのトップハンデもなんのその。積年のうっぷんを晴らすように、直線だけでまとめて先行グループをなで切りにした。 過去2度の福島記念でも騎乗した大野は「強い競馬をしてくれました。2回、1番人気を裏切るような形になったので、結果を出せて良かったです」と笑顔。前半の位置取りはもっと前を予定していたようだが、「思ったよりペースが速くて。ただ、アラタ自身走りのリズムが良く、外を上がって行く手応えも良かったので安心して乗れた。直線は後ろから何も来ないでくれと思ってました。馬が偉かったと思います」と相棒の頑張りをたたえた。 1月の中山金杯でラチにぶつかり腰を痛めた。その後遺症で思うような結果が出せずにいたが、負担のかかる坂路調教を止めてコースで長めに乗るなど調整の工夫がようやく実った。 和田勇師も「過去2回は相手が強かったり、運がなかったが、今回勝てて良かったです」と目を細め、具体的な目標レースは挙げなかったが「距離は長くても大丈夫だと思います」。初タイトルを糧に、遅咲きの7歳牡馬が、さらなる飛躍を狙う。
中日スポーツ