【2024年10月社会保険適用拡大】厚生年金に加入して働くパート従業員がおさえておきたい3つのメリット
2024年10月からの社会保険の適用拡大により、パート勤務のあなたにも大きな影響があるかもしれません。 ◆【対象になる?】社会保険適用拡大チェックリスト この記事では、社会保険の加入によって得られる具体的なメリットと、それに伴う疑問や不安を解消するための情報をお届けします。 「手取りが減るのでは?」「扶養から外れることで不利益があるの?」といった不安を抱えている方へ、社会保険の拡大がもたらす変化についてご案内します。 これを読むことで適用拡大への理解が深まり、自分にとっての最適な選択が見えてくるでしょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
社会保険適用拡大の概要
2020年5月に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(年金制度改正法)」が成立、2022年10月から段階的に社会保険の適用範囲が拡大され始めました。 具体的には2024年10月から社会保険の適用範囲がさらに拡大されます。 上図のように2024年10月から、従業員51人以上の企業で働くパートタイム労働者やアルバイト従業員も新たに社会保険の加入対象となります。 この変更はこれまで適用されていた基準を見直し、より多くの人々が社会保険の恩恵を受けられるようにするための措置です。 では次に、従来の社会保険加入条件がどのようなものであったかを確認してみましょう。
対象となる従業員の要件
対象となる従業員の要件は次のとおりです。 1.週の所定労働時間が20時間以上 2.月額賃金が8.8万円以上 3.2ヶ月を超える雇用見込みがあること 4.学生ではないこと 以上の4つにすべてあてはまる場合、2024年10月から、従業員数51人以上の企業で働く短時間労働者にまで社会保険の加入義務が拡大される可能性があります。
社会保険適用拡大で得られるメリット
次に3つの主要なメリットをご紹介します。 ●将来の年金受給額が増加する 家族の扶養に入っている場合、自身で年金を支払っていないため、将来的に受け取る年金額が家族より少なくなります。しかし、扶養から外れて厚生年金保険に加入することで「基礎年金」に加えて「厚生年金」の受け取りができ、結果年金額は増額します。 例えば、年間給与120万円で厚生年金保険に25年加入した場合、65歳から80歳まで15年受給すると累計金額は約220万円増額となります。 ●受けられる保障が充実する 病気やけがで障害が生じた場合には障害基礎年金に加えて、障害厚生年金も受給可能です。 日常生活を送ることが困難な障害がある状態になった場合は「障害厚生年金」が、さらに万が一死亡した場合には遺族に「遺族年金」が支給されます。 ●医療保険の保障内容が向上する 傷病手当金として、病気やけがで仕事を休んだ場合4日目から最大1年6ヶ月、給与の2/3相当が支給されます。 また、出産のため会社を休んだ場合出産手当金として、出産の日以前42日から出産の日後56日までの期間、給与の2/3相当が支給されます。 このように、社会保険に加入することで、給付が増えたり保障内容が充実したりするなど、さまざまな利点があります。