はやぶさ2、タッチダウン後の状態は? JAXA会見(全文1)10時6分18秒に着地
高度20キロからGCP -NAVで30メートルまで下りた
これもさっといきます。前回と、1回目のタッチダウンと基本的には同じで、ホームポジションの高度20キロからGCP -NAVで30メートルまで下りていきます。これはあとで大野から詳細の説明がありますが、そのあとは、その次のページですね。高度30メートルでGCP -NAVホバリングといわれる、ホバリング、高度一定を保ちます。ここでずっと高度を一定に保ってる間にターゲットマーカーは、小惑星が回転するに従って少しずつカメラの視野に入ってきます。 カメラの視野に入って探査機がターゲットマーカーを認識すると、自動的に降下加速ΔVをやって下に速度を持たせます。このときにはまだ高度制御はしません。自由落下です。ただ、横方向の位置制御はターゲットマーカーを見て、そのターゲットマーカーが画像の中のど真ん中にくるように位置制御はしつつ、高度17メートルになったときにLRFの測距が可能になった時点で高度制御を自律で行います。そこで目標高度を8.5メーターまで設定することによって、この図でいうところの3番ですね、まで持っていきます。 それである程度収束を待ちます。ここで各番号、黄色で塗りつぶしてありますが、2、3、4、5、6と書いてあるのは、これ各ゲートでして、この場所に行ってしばらく制御系が収束するまで時間を待ちます。ある範囲内に収束しないと次のシーケンスにいきません。ですから、われわれ実際に見てるときに、この各シーケンスのゲートがきちんと次に進むためには、制御系がきちんと働いてないと次に進まないのである意味冷や冷やなんですけども、今回は非常にスムーズにいきました。
最低でも250秒はじっと待ち、制御系の収束を待った
8.5メーターで高度を維持したあとに、今度は着陸姿勢を傾けながらターゲットマーカーを視野のど真ん中に入れつつ移動します。これが3番ですね。次に5番、6番。5番でターゲットマーカーを視野に入れて、真ん中には見えなくてもいいからタッチダウンの位置まで水平移動します。これが5番。で、6番。 これが大切なんですけども、移動したあと、最低でも250秒はじっと待ちます。この間に制御系が収束するのを待って、最終的なタッチダウン精度を向上させるために、しばらく精度が向上するのを待ちます。そのあとに降下加速のΔVをやって、タッチダウンして、そのあと上昇ΔVを打って離脱するというシーケンスになりました。ここに書いてある時刻は実際の今回のターゲットマーカー、PPTDの第2回のタッチダウンの実際の時刻を示しています。 次のページは、これはもう簡単にいきます。タッチダウンの時刻は赤で書いてあるように7月11日の10時6分18秒ですね。前のでは秒まで書いてますが、10時6分18秒です。 次は非常に心配したLRFがちゃんとちゃんと撮れたという、これ実データです。これはあとから、【テレメデータ 00:14:00】から降りてきたものですけども、青とか赤とか緑とか黄色というのが4本ビームの、LRFの各ビームの測距値です。AとBが長いのは、長いほうにビームが当たっているからであって、ここの黒の点々、ちょっと見にくいですけどもLRF代表高度と書いてあるものが、このLRFの4本ビームのある意味平均化したような、実際の直下点の高度です。 またLIDARと言って、レーザーセンサーもこのとき働いてまして、黒の実線です。ですから黒の点々と黒の実線が一致していればLRFがきちんと測距できたということですけども、例えば高度30メーターぐらいですと、かなり両者違っているんですが、実際にLRFが機能することを期待されていた直下点高度17メートルの時点ではほぼLRFとLIDARの測距値が一致していることで、LRFはきちんと、非常に心配していたんですけども、きちんと測距をしてくれたということがまさにこの、ここで分かると思います。 それでは次にGCP-NAVについては大野のほうからご説明いたします。